【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(25日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻の開始から1か月余りとなります。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交などウクライナ情勢をめぐる25日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

プーチン大統領 「『排除の文化』で文化が廃絶」と欧米批判

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアのプーチン大統領は25日、文化や芸術分野の関係者とのオンライン会合で、自国の文化芸術の水準の高さを誇ったうえで「欧米は1000年の歴史を持つ国そのものや国民を消し去ろうとしている。悪名高い『排除の文化』によって文化が廃絶されたのだ」と述べ、軍事侵攻のあと欧米でロシアの芸術家などが排除されていると批判しました。

そのうえで、欧米などで歴史がゆがめられていると主張し「たとえばハリウッドでは、アメリカをナチス・ドイツに対する唯一の勝利者としてたたえる映画が何度となく制作された。一方、日本では、広島と長崎に原爆が投下された日を追悼するとき、その責任について沈黙する」と述べ、アメリカや日本を批判しました。

米バイデン大統領 ポーランド国境に到着

アメリカのバイデン大統領は、ブリュッセルでの一連の首脳会議への出席を終えたあと、現地時間の25日午後、大統領専用機でポーランド南東部のウクライナに近い都市、ジェシュフに到着しました。

ジェシュフは、ウクライナとの国境からおよそ70キロのところにある戦略上の要衝で、ウクライナでロシアによる軍事侵攻が続く中、数千人規模のアメリカ軍兵士がNATO=北大西洋条約機構の防衛のために派遣されています。ここでバイデン大統領は、ポーランド側からウクライナの人道危機の現状について説明を受けるとともに、ポーランド国内に派遣されているアメリカ軍兵士らと面会し、激励する予定です。

マリウポリ市長 市外に退避の報道 地元メディア

ロシア軍が攻勢を強めるウクライナ東部の要衝マリウポリについて、ウクライナの地元メディアは、マリウポリの市長がすでに市外に退避したと伝えています。
また、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、「ロシア軍は24日、マリウポリの中心部のキリスト教の教会を占拠し、市の全域の掌握に向けて部隊を展開している」との分析を示しています。

UNHCR「ウクライナから国外避難 372万人超」(24日時点)

UNHCR=国連難民高等弁務官事務所のまとめによりますと、ロシア軍の侵攻を受けてウクライナから国外に避難した人の数は24日の時点で、372万人を超えています。
避難先は
▼ポーランドがおよそ220万人、
▼ルーマニアがおよそ57万人、
▼モルドバがおよそ37万人、
▼ハンガリーがおよそ33万人、
▼スロバキアがおよそ26万人などとなっています。
また
▼ロシアに避難した人はおよそ27万人となっています。

ロシア大統領府「国際条約に違反したことない」

ウクライナのゼレンスキー大統領が、「ロシア軍が白リン弾を使用した」と非難したことについて、ロシア大統領府のペスコフ報道官は25日、国営通信社などの質問に対して、「ロシアは国際条約に違反したことは一度もない」と主張し、否定しました。
また、「詳しいことは国防省に聞くことを勧める」として、詳しくは明らかにしませんでした。

マリウポリの劇場 300人死亡か

今月16日に破壊された東部マリウポリの劇場について、マリウポリ市議会はSNSを通じて、詳しい状況は分からないとしたうえで、「目撃情報によると、およそ300人が亡くなっているかもしれない」と伝えました。

この劇場は、避難所として、子どもを含む大勢の人が避難していて、ゼレンスキー大統領は「数百人ががれきの下にいる」という見方を示していましたが、被害の全容はいまだに明らかになっていません。

バイデン大統領訪問予定のポーランドの空港 厳しい警備態勢

バイデン大統領が訪問する、ウクライナとの国境に近いポーランド南東部、ジェシュフの空港では25日朝からアメリカ軍や地元の警察が、厳しい警備態勢を敷いています。

空港の滑走路の近くには、迎撃ミサイル「パトリオット」と見られる兵器が、東の空に向けていくつも配備されているほか、多くの軍用車両がとめられています。

ウクライナ「マリウポリ市民 ロシアに強制移送されている」

ウクライナの外務省は24日、声明を発表し、東部マリウポリの市民がパスポートなどを没収されたうえで、ロシアに強制的に移送されていると批判しています。

およそ1万5000人の市民が対象になっていて、これまでに少なくとも6000人が実際に移送されたと主張しています。

また、ウクライナの国防省によりますと、市民には移送先として、ロシア北部の地域などが提示され、その中には極東のサハリンも含まれているということです。

移送された市民には職業をあっせんする機関から仕事が紹介され、2年間、ロシアからの出国が禁じられるということで、ウクライナの国防省は「子どもを含む市民の強制移送は国際法の重大な違反だ」として非難を強めています。

NGO ウクライナ国外避難の子どもに暴力の危険性懸念

ウクライナ国内や周辺の国々で子どもたちへの支援活動を続ける国際的なNGO、「セーブ・ザ・チルドレン」ウクライナ事務所のピート・ウェルシュ代表が24日、オンラインの会見で現地の状況を語りました。

この中でウォルシュさんは、150万人以上の子どもたちがウクライナ国外へ避難していることについて、「国境を越えて避難するとき、少女たちは特にぜい弱で、人身売買のリスクもある」と指摘し、家族と離れ離れになった子どもたちが虐待や性的な搾取などさまざまな暴力にさらされる危険性があることに強い懸念を示しました。

一方で、セーブ・ザ・チルドレンは600万人近くの子どもたちがいまもウクライナ国内にとどまっているとみています。

多くの子どもが戦闘が続く地域で避難生活を続けていて命の危険にさらされているほか、食糧や安全な水を得ることも難しい状況にあるということです。

さらに精神的なケアも大きな課題となっていて、ウォルシュさんは、「ストレスの影響でガタガタと震えている子どももいる。多くの子どもたちがトラウマを抱えている。今すぐに助けられなければ子どもにとっての影響は長期化するだろう」と話し、迅速な支援の必要性を訴えました。

ロシア駐在アメリカ大使“ウクライナで米ロ連絡ルート拡充を”

ロシアに駐在するアメリカのサリバン大使が、ロシアの独立系新聞「ノーバヤ・ガゼータ」紙のインタビューに答え、「ロシアの指導部からは、アメリカとの外交関係を断つのではないかという兆候が見られる」と指摘したうえで「アメリカはモスクワの大使館を閉鎖するつもりはない」と述べ、外交関係を維持する考えを強調しました。

そして、アメリカとロシアの間では緊急事態に備えてホットラインがあり、今もそれは維持されているとしたうえで「ウクライナの問題に関する国防省幹部どうしのホットラインが設置されることを望む」と述べ、偶発的な衝突を避けるため、よりスムーズに意思疎通が行えるよう、連絡ルートの拡充を呼びかけました。

またサリバン大使は、米ロ両国が核軍縮の枠組みの構築などについて話し合う戦略対話について「米ロ両国が大量破壊兵器を含む安全保障の問題を協議していくことは重要だ。今の状況では協議を行うのは難しいが、人類の幸福のために再開されることを願う」と述べ、ロシアがウクライナから軍を撤退させ、協議が再開されることに期待を示しました。

ロシア軍 マリウポリで住民に水や食料の配布

ロシア軍が激しい攻撃を続けているウクライナ東部の要衝、マリウポリで、24日、ロシア軍が一部の地域で住民に水や食料の配付を行い、マリウポリの制圧に向けて孤立化を進めているものとみられます。

マリウポリでは、2週間以上にわたってロシア軍の激しい攻撃が続き、ウクライナのゼレンスキー大統領は22日、「食料や水、医薬品もなく、砲撃や空爆を受ける、非人道的な状況下で、いまもおよそ10万人が取り残されている」と述べ、深刻な人道危機が続いていると訴えています。

ロイター通信が24日、現地で撮影した映像では、かつてのショッピングセンターの前に食料や水などの物資を受け取ろうとする人たちの長い行列が確認できます。
物資の入った箱にはロシアの軍事侵攻を支持するシンボルとなっている「Z」のマークが記されていて、ロイター通信は、これらの物資はロシア軍によって配付されていると伝えています。

ウクライナのベレシチュク副首相は24日、この3日間、マリウポリでの人道支援活動がロシア軍によって妨害されていると非難していて、ロシア軍はマリウポリの制圧に向けて孤立化を進めているものとみられます。

欧米などの首脳が結束確認 ロシアへの制裁追加

24日、欧米などの首脳はベルギーの首都ブリュッセルでNATOやG7などの枠組みで相次いで会議を開きました。

そして、NATOとしてウクライナに追加の軍事支援を行うことで合意したほか、G7としてロシアに軍の撤退を要求するとともに、アメリカとEU=ヨーロッパ連合は、エネルギー分野でのロシア依存からの脱却に向けた取り組みを後押しするため合同の特別作業チームを立ち上げることになりました。

会見したバイデン大統領は「ロシアのプーチン大統領はNATOの足並みが崩れることを期待していたが、NATOがきょうほど結束した日はない」と強調しました。

アメリカ政府はロシア議会の議員など400を超える個人や団体の資産を凍結する新たな制裁を発表し、各国が連携してロシアへの圧力を強めています。

さらにバイデン大統領は、ロシアがウクライナに対して化学兵器を使用した場合には「相応の対応をとる」と述べてロシアをけん制しましたが、NATOが軍事的な行動をとる可能性については「そのときに判断する」と述べるにとどめました。

国連総会 ウクライナの人道状況改善求める決議案を採択

ニューヨークの国連本部の総会議場では24日、前日に続いてウクライナの人道状況の改善を求めるフランスなどが提出した決議案をめぐる緊急特別会合が開かれました。

決議案は、ロシアがもたらした悲惨な人道状況に遺憾の意を示したうえで、敵対行為の即時停止のほか、市民や民間施設の保護、それに人道支援の安全確保などを求めています。

会合では2日間で合わせておよそ70か国が演説を行ったあと決議案の採決が行われ、
▽欧米や日本など合わせて140か国が賛成し、
▽ロシアなど5か国が反対、
▽中国やインドなど38か国は棄権して、
投票した国の3分の2以上の賛成で採択されました。

国連総会では今月2日にも、ロシアを非難し軍の即時撤退などを求める決議が141か国の賛成で採択されていて、今回もほぼ同じ数の国が賛成する一方で、反対は前回と同じ5か国、棄権は前回より3か国増えました。

また、この日の会合では、市民や民間施設の保護などを求める一方でロシアを名指しで非難しない内容の南アフリカが提出した決議案について採決を行うかどうかの投票が行われ、欧米など67か国が反対して廃案になりましたが、ロシアを始め中国やブラジルなど50か国が賛成し、ロシアとの関係に配慮する国が依然として多いことも浮き彫りになりました。

ロシアの侵攻開始以降 初の本格的な捕虜の交換

ウクライナのベレシチュク副首相は24日、ロシアとの間で、それぞれ10人の捕虜を交換したことをSNSで明らかにしました。
ロシア国営のタス通信も24日、ロシア議会で人権問題を担当するモスカリコワ氏の話として「ロシア国防省は捕虜となっている軍人を国に帰すため尽力してきた。ロシアの軍人10人とウクライナの軍人10人を交換したという情報を認める」と伝えています。
ウクライナのベレシチュク副首相によりますと、ロシアが侵攻を始めて以降、ロシアとの間で捕虜の本格的な交換が行われたのは初めてだということです。
さらに、南部のオデッサ付近で救助されたロシアの船員11人と、ロシア側に捕らえられていたウクライナの船員19人を交換したことも合わせて明らかにしています。

ウクライナ側「ロシアが『白リン弾』使用」と非難

ウクライナ東部のルガンスク州の知事は24日、ロシア軍が、大やけどなど人体に深刻な被害が出る「白リン弾」を州内で使ったとSNSに書き込みました。
また、ウクライナの公共放送もルガンスク州で、ロシア軍の攻撃によって少なくとも2人の子どもを含む4人が死亡し、6人が負傷したという地元当局の話を伝え、攻撃にはロケット弾に加え「白リン弾」が使われた可能性があるとしています。
さらに、ゼレンスキー大統領も24日に開かれたNATO=北大西洋条約機構の首脳会議で「けさ、ロシア軍が白リン弾を使用し、大人も子どもも殺された」と述べ、ロシアを強く非難しました。
「白リン弾」は化学兵器には指定されていませんが、着弾したときに飛び散った高温の白リンによって皮膚に大やけどを負わせることから非人道的だとして、その使用をめぐって国際社会で議論となっています。

ウクライナ国防省「ロシア軍の大型揚陸艦を破壊」

ウクライナの国防省は24日、ロシア軍に制圧された南東部の都市ベルジャンシクの港で「ロシア軍の大型揚陸艦を破壊した」とSNSに投稿しました。
港で撮影されたという映像では大型の船から爆発とともに何度も炎があがり黒煙が立ち上る様子が確認できます。
またその周辺では別の船が離れていく様子が捉えられています。

港湾都市オデッサ ロシア軍の本格的な攻撃迫り警戒高まる

ウクライナ南部のミコライフから130キロほど西にある港湾都市オデッサでは、ロシア軍の本格的な攻撃が迫っているとして警戒が高まっています。
中心部につながる道路やロシア軍が駐留するモルドバの沿ドニエストル地方につながる道路にはバリケードが築かれ、ウクライナ軍の装甲車や戦車が配置されて厳戒態勢がとられています。
中心部では店のほとんどが閉まっていて行き交う人はまばらです。
住宅や店の壁などの至る所に、ウクライナの国旗が掲げられたり、国旗の色が塗られたりしているほか、ウクライナ軍の健闘をたたえる立て看板があちこちで見られます。

ウクライナ 少なくとも市民1035人が死亡(~23日)

国連人権高等弁務官事務所は、ロシアによる軍事侵攻が始まった先月24日から今月23日までに、ウクライナで少なくとも1035人の市民が死亡したと発表しました。このうち90人は子どもだということです。
亡くなった1035人のうち、311人が東部のドネツク州とルガンスク州で、724人はキエフ州や東部のハリコフ州、北部のチェルニヒウ州、南部のヘルソン州など各地で確認されています。
多くの人たちは砲撃やミサイル、空爆などによって命を落としたということです。
また、けがをした人は1650人に上るということです。
今回の発表にはロシア軍の激しい攻撃を受けている東部マリウポリなどの確認が取れていない犠牲者の数は含まれておらず、国連人権高等弁務官事務所は実際の数はこれよりはるかに多いとしています。

ウクライナから国外に避難 367万人超(23日時点)

UNHCR=国連難民高等弁務官事務所のまとめによりますと、ロシア軍の侵攻を受けてウクライナから国外に避難した人の数は23日の時点で、367万人を超えています。
避難先はポーランドがおよそ217万人、ルーマニアがおよそ56万人、モルドバがおよそ37万人、ハンガリーがおよそ33万人、スロバキアがおよそ26万人などとなっています。
またロシアに避難した人は22日の時点で、およそ27万人となっています。

“マリウポリ市民約1万5000人 ロシアに強制移送か” 市議会

ウクライナの外務省は24日声明を発表し、東部の要衝マリウポリの左岸地区に住む市民がロシアへ強制的に移送されているとしたうえで、パスポートや身分証などを没収されたという情報があるとしています。
マリウポリの市議会によりますと、およそ1万5000人の市民がバスに乗せられてロシア側に連れ出されているということです。
マリウポリの市議会は今月19日にも声明を出し、市民1000人以上が避難していた施設からロシア軍によって強制的に連れ出されたと訴えていますが、詳しい状況は分かっていません。

ユニセフ “ウクライナの子どもの半分以上が家を追われる”

ユニセフ=国連児童基金は24日、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まってから1か月間で、ウクライナで暮らす子ども750万人のうち、半分以上にあたる430万人が家を追われたと発表しました。250万人が国内避難民となり、180万人が近隣諸国に逃れたということです。
ユニセフのラッセル事務局長は「子どもの安全や必要なサービスなどが絶え間ない恐ろしい暴力にさらされている。子どもたちには直ちに平和と保護が必要だ」と述べ、一刻も早い停戦の必要性を訴えました。