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3月4日のニュース

震災から9年 初の避難指示一部解除 福島 双葉町

東京電力福島第一原発が立地する福島県双葉町で、県内で唯一全域で続いていた原発事故による避難指示が4日午前0時、初めて一部で解除されました。

双葉町で避難指示が解除されたのは、放射線量が比較的低い「避難指示解除準備区域」に指定されていた北東部と、比較的高い「帰還困難区域」にあるものの、除染を行い、放射線量を低減させたJR双葉駅周辺の道路など合わせて2.4平方キロメートルで、町全体の面積の4.7%に当たります。

双葉町は原発事故に伴って出された避難指示が、唯一全域で続いていた自治体で、事故から約9年で、初めての解除となりました。また、帰還困難区域で避難指示が解除されたのも初めてです。

ただ、解除された地域では、水道など生活インフラの整備が進んでいないため、戻って生活する住民はいないということです。

双葉町では、産業団地や公共施設の整備を進め、2年後の令和4年から、住民の帰還を目指すとしています。

このほか、避難指示が継続される帰還困難区域のうち、除染作業が進む双葉駅周辺の約5.4平方キロメートルでは、宿泊はできないものの、24時間自由に立ち入ることができるようになりました。

立ち入りが厳しく制限される帰還困難区域で規制が緩和されたのも初めてで、復興に向けた取り組みの先行事例として注目されます。

その時双葉町では…

双葉町の国道6号線の交差点では、午前0時の避難指示解除とともに、帰還困難区域にあるJR双葉駅周辺への進入を規制していたバリケードが開かれ自由に立ち入ることができるようになりました。

そして、双葉警察署の警察官がパトカーに乗り込み、早速、町内のパトロールに向かっていきました。

解除後初めてのパトロールに際して、双葉警察署の鈴木政人巡査部長は「双葉町にいつか戻りたいという思いを強く持つ住民もいると思うので、安心して暮らせる、安全な町になるように頑張っていきたい」と話していました。

福島県の避難指示のこれまでと今

福島県では、東京電力福島第一原発の事故のあと、11市町村の1150平方キロメートルに避難指示が出されました。

避難指示は平成26年4月以降9回にわたり、10市町村で全域、もしくは一部が解除され、双葉町は避難指示の解除が行われていない唯一の自治体となっていました。

また5日は、大熊町のJR大野駅周辺で、今月10日には富岡町のJR夜ノ森駅周辺で避難指示が解除されることになっています。

一方、これ以降も避難指示が続くのは7市町村の約337平方キロメートルとなります。これは、福島県全体の面積の2.4%、避難指示が出された地域の面積の約30%に当たります。

双葉町中心部の様子は

双葉町の中心部は、4日午前0時から行政の許可がなくても自由に立ち入りができるようになりました。

午前6時を回って明るくなると、除染作業などを行う人たちの車が多く行き交いましたが、住民の姿は確認できませんでした。

JR双葉駅は今月14日の常磐線の全線再開に向けて新しく建設され、ロータリーの整備もほぼ、終わっていました。

一方、周辺では住宅や店舗などが震災の揺れで傾いたり、壊れたりしたままになっていました。また、震災前の双葉駅の駅舎にある時計は東日本大震災が発生した直後の午後2時48分を指していました。

双葉駅の周辺は今月26日、福島県でスタートする東京オリンピックの聖火リレーのルートとして検討されています。

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