風疹の最新ニュース

風疹の最新ニュース

ことしの風疹患者が過去5年間で最多に 2018年09月11日

首都圏を中心に増加していることしの風疹の患者は、今月2日までの1週間で(9月)さらに75人増えて362人となり、大規模な流行があった平成25年の後の5年間で、患者数が最も多くなりました。

風疹は、発熱や発疹などの症状が出るウイルス性の感染症で、妊娠中の女性が感染すると生まれてくる赤ちゃんの目や耳、それに、心臓などに障害が起きるおそれがあります。
ことしは7月下旬から、首都圏を中心に患者が増えていて全国の医療機関から報告があった今月2日までの患者数は前の週よりさらに75人増えて362人と、大規模な流行があった平成25年の後の5年間で最も多くなりました。

都道府県別では、
▼東京都が前の週より28人増えて111人、
▼千葉県は11人増えて95人、
▼神奈川県は8人増えて33人、
▼愛知県は7人増えて16人などとなっていて、
引き続き、全体の7割以上を首都圏の患者が占めています。

国立感染症研究所は、今後、妊娠する可能性がある女性は、2回のワクチン接種を受けておくとともに、妊婦の家族など周りにいる人で、風疹に感染した経験がなく、ワクチンを2回接種した記録がない人も、接種を検討するよう呼びかけています。

また、ワクチンの定期接種がなかった世代の30代から50代の男性も抗体検査を受けるなどしてワクチンが必要か十分に検討してほしいとしています。

 

【なぜ「2回」接種か】
去年、国立感染症研究所が全国の5000人あまりを対象に風疹の免疫があるか調べました。その結果、免疫があったのは、女性では成人のすべての年齢層で90%以上でしたが、男性では50歳から54歳までが76%、45歳から49歳までが77%、40歳から44歳までが82%、35歳から39歳までが84%などと、35歳から54歳までの男性が比較的、低いことがわかったということです。
これは、この年代の男性には、ワクチンの定期接種の制度がなかったことが影響しているとみられています。

さらに別な調査で、ワクチンを1回接種しただけでは100人中、5人の割合で免疫がつかない場合があることがわかっているということです。平成25年をピークに大規模な流行が起きた際、妊婦が風疹に感染することで赤ちゃんに障害がおきた事例は45例あったことがわかっていますが、出産した母親のワクチン接種の履歴を調べてみると、11例でワクチンを1回、接種していたにも関わらず風疹にかかっていたということです。

 

【ワクチン接種のクリニックでは】
東京・墨田区にある内科のクリニックでは、先月(8月)からワクチン接種を希望する人が増え20人以上の人が来院したということです。墨田区では、今後、妊娠する可能性がある女性とその夫などのパートナーは、過去にワクチン接種の記録が無ければ無料で抗体検査という検査を受けることができ、必要とされればワクチンを無料で接種することができます。
補助を受ける人は区役所から書類を受け取ったうえで、クリニックに予約して診察と血液の採取を受け、2日から3日かけて風疹の抗体の量を分析して免疫があるか調べます。
免疫がないという結果がでた場合には無料でワクチンの接種を受けることができます。
補助の対象ではない人は、抗体検査は1回7000円程度、ワクチン接種は1回9000円程度がかかりますが、補助の詳しい制度は自治体ごとに異なるので市区町村に問い合わせてほしいとしています。
ファミリークリニックひきふね梅舟仰胤医師は、「風疹はワクチンで防ぐことができるので、自治体の補助なども利用して免疫がある状態にしてほしい」と話していました。