夏の電力受給 どうなる?
これから厳しくなってくる暑さ。エアコンなどの使用で電力需要も増えることが見込まれるなか、政府は東京電力の管内で7月1日から8月末まで、無理のない範囲での節電要請を行っています。この夏の電力需給、どんな見通しなのでしょうか。経済部の五十嵐圭祐記者と佐々木悠介記者、教えて!
電力需給は全国的にどんな見通しなの?
供給の余力を示す「予備率」という数字がありますが、政府はこの夏については10年に1度の厳しい暑さとなる場合でも、全国すべての地域で安定供給に最低限必要な3%を確保できる見通しだとしています。
それなのに今回、どうして東京電力の管内だけ節電要請をしているの?
節電は想定外の暑さや発電所のトラブルなどで電力が不足する事態に備えるために行いますが、この夏はほかの電力各社と比べて、東京電力は供給の余力が少なくなっているからです。
東京電力の管内は7月の予備率が3.1%、8月が4.8%と余力が少ないため、節電要請が行われることになったのです。
節電というと、具体的にはどんな方法が有効なんですか?
資源エネルギー庁では、家庭や企業でできる取り組みをまとめています。
家庭での電力使用量を見てみると、もっとも大きいのがエアコンのおよそ4割となっています。
不要な照明を消したり、冷蔵庫の開け閉めを減らすなど、節電の取り組みはいろいろとありますが、冷房を使う際の節電は特に有効と言えそうです。
例えば、▽室内温度の設定を26度から28度に上げると、5.4%の節電効果があるとしています。
▽また、目詰まりしたフィルターの清掃で1.9%となっています。
もちろん、夏は熱中症のリスクがありますから、あくまでも「無理のない範囲」での節電が大前提です。
冷房を使う時間帯は日中が多いと思いますが、対策が効果的な時間帯というのはあるんでしょうか。
太陽光による発電量が減り、需給が厳しくなりがちだということで、とくに午後5時から8時ごろが取り組んでほしい時間帯となります。
電気料金が上がっていますし、節電によって家計の負担も少しは軽くなるかもしれませんね。
電気料金と言えば、エネルギー価格の上昇を受けて、東京電力など大手7社が6月の使用分から料金の値上げに踏み切りました。
国の負担軽減策で上げ幅は抑えられているものの、家計の負担は増しています。
各事業者の間でも、節電した量に応じて、電子マネーと交換できるポイントを利用者に付与するなど、節電を促す取り組みも進めています。
「節電」というと、とかく「がまん」というイメージになりがちですが、電気の使用量を減らせば、節電だけでなく、電気代の節約にもつながります。
体調に無理のない範囲で、前向きに取り組んでみても良いかもしれませんね。
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