NEW2019年07月26日

24時間営業 やめてもいいですか?

深刻な人手不足や、人々のライフスタイルの変化から、最近よく話題になる「コンビニの24時間営業」の見直し。26日、大手コンビニが全国の加盟店へ行ったアンケートで、およそ半数が「時短営業を検討したい」と回答したことを明らかにしました。時短営業とは24時間営業をしないという意味。この現状、あなたはどう思いますか?

ネット上では「必ずしも24時間営業しなくてもいい」という消費者の意見もあり、議論になっていますね。

そうね。コンビニ大手のファミリーマートは先月、全国の加盟店1万4848店舗に対して、深夜や早朝の営業を短縮する「時短営業」に関するアンケートを行い、26日、その結果を公表した。回答したのは1万4572店舗で回答率は、98.1%。それによると、▽時短営業を「検討したい」という回答が48.3%の7039店舗、▽「検討しない」が48.8%の7106店舗だった。

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およそ半数が「時短営業を検討したい」と答えたことについて、ファミリーマートの澤田貴司社長は記者会見で「想定よりも高い数字だ。十分に議論して対応したい」と述べている。コンビニチェーンにとって、看過できない大きな数字だったということかしら。

実際、大手のコンビニでは、最近、「時短営業」の実験が進められていますよね?その効果はどうなっているんですか?

ファミリーマートは、先月から、東京や秋田、長崎の24の加盟店で、時短営業の実験を行っていて、26日の記者会見でその結果を公表した。それによると、前の年の同じ月と数字を比較できる18店舗のうち、▽11店舗でオーナーの利益が増加した一方、▽7店舗ではオーナーの利益は減少したという。

ファミリーマートは、「利益の増減に一律の傾向は見られなかった」としている。つまり、時短営業で利益が減るか増えるかは、まだよくわからないということかしら。ファミリーマートでは、10月中旬以降、最大で700店舗まで実験店舗を拡大し、12月以降に、時短営業の方向性を示すことにしている。

なるほど。そう聞くと、ますます「時短」が進んでいきそうに思えてしまいますが…。他のコンビニチェーンはどうなっているんですか?

最大手のセブン‐イレブンも、加盟店が深夜営業の必要性についてどう考えているのか把握するため、今月10日からすべての加盟店を対象にした初めてのアンケート調査を始めている。アンケートにはおよそ50の質問項目があって、最近の従業員の採用や退職などの状況を踏まえて、加盟店の人手不足の実態を確認。そのうえで、深夜の営業を休止する必要性を感じているか、尋ねるというもの。最大手の動向がどうなるのか、アンケートの行方には注目が集まりそう。

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一方で、セブン‐イレブンは、すでにことし3月から、一部の店舗で営業時間短縮の実験を始めている。その実験の効果は公表されていないけど、ことし4月に明らかにした「行動計画」では、実験の結果を踏まえて、立地や店舗ごとの状況に応じて24時間営業を柔軟に見直すとしているの。さらに、新規に出店する基準を厳しくするとか、利用客が自分で会計する「セルフレジ」を年内に国内のすべての店舗に導入するなどとしている。

またローソンは、4月に明らかにした行動計画によると、深夜の時間帯に従業員がいなくなる「無人店舗」の実験を行うとか、9月末までに国内の全店にセルフレジを導入する、などとしている。

人手不足が深刻な中、コンビニ業界全体で、さまざまな工夫が行われるようだけど、24時間営業を前提としたコンビニのビジネスモデルは曲がり角を迎えていると言えそうね。