NEW2018年05月17日

どうする?2050年の電気

いま、ここを見るためにも使っている電気。その電気を将来どうつくっていくのか、国の基本方針「エネルギー基本計画」が見直されました。

あまり聞いたことがないけど、「エネルギー基本計画」って何?電気と関係ありそうな感じはする名前だけど。

「エネルギー」という言葉が使われてるけど、主には、火力発電とか原発とか、発電する手段を将来どうしていくか、国としてこうしていこうという目標をまとめたものだよ。

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計画は、いろんな状況の変化に合わせて、だいたい3年ごとに見直しているんだけど、前回は、2030年度に再生可能エネルギーを22~24%とする、というような目標などをまとめたの。
ことしは見直しの年なので、新しい計画の案ができたわけ。

ざっくりいって、どこがポイント?

いくつかあるけど、いちばん大きいのは、太陽光発電など「再生可能エネルギー」の位置づけだと思う。どうしてだかわかる?

どうしてって…。

2年前に発効した「パリ協定」。温暖化対策の国際的な枠組みなんだけど、CO2など温室効果ガスを2050年までに大幅に削減することになったから、世界的には、発電でも、温室効果ガスを出す火力発電を減らして、太陽光や風力発電を増やしていきましょうという方向になってきてる。そうしたことを今回どう盛り込むかが、注目されてたってこと。

それで、どうなったの?

まず、前回までの計画は、2030年度までを考えていたんだけど、今回はパリ協定に合わせて、期間を2050年までに広げて、太陽光や風力発電といった再生可能エネルギーを将来の「主力電源」とすると位置づけた。そして、「主力」にするために、太陽光発電などのコストを下げて、天気に左右されないようにしていく、とも書き込んである。

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太陽光発電などに力を入れていくってことだよね?

もちろん、そういうことなんだけど、実は、原発もできるだけ頼らないようにしていく方針は続けるけど、温室効果ガスを出さない選択肢として、技術開発は進めるとしているし、CO2の排出量が多いということで世界的には批判が高まっている石炭火力発電も続けていくような内容も入ってる。それに、再生可能エネルギーを22~24%にするという前回の目標も見直していないので、どこまで太陽光などに本気なのかは、ちょっと微妙という感じかもね。

そうなんだ…。

世界的には、パリ協定を1つのきっかけに、再生可能エネルギーの活用が進んできている。ヨーロッパなどではコストも下がってきてるので、経済的にトクだから選べる、という段階になったという見方もあるし、そういう世界的な動きから日本は遅れているという意見も出ているのだけれど、今回、とにかく「主力」としたのだから、今後、再生可能エネルギーを具体的にどう拡大していくか、しっかり見ていかないと。