NEW2018年04月24日

海賊版サイト なぜ閲覧を規制?

漫画やアニメなどをインターネットに無断で公開する海賊版サイト。NTTのグループがサイトを閲覧できないようにする措置に踏み切ることになりました。いったいなぜなのでしょうか?

海賊版サイトってそんなに利用が増えているんですか?

最近、利用が拡大しているらしいわよ。多くの漫画や雑誌が無断で掲載され、政府によると、月に数千万から1億人を超える人が訪れている。その結果、電子コミックなどの売り上げが減少していると。出版やアニメなどの権利者団体によると、主な3つのサイトの被害額は推計で4000億円を超えるというわ。そこで政府は今月、緊急の対策をまとめた。「漫画村」、「Anitube」「Miomio」の3つのサイトについて、民間の事業者が自主的に閲覧できないようにする措置を行うのが適当だとしたの。「ブロッキング」というのよ。NTTの今回の対応は、これを受けた形ね。

ブロッキングが実際に行われると、どんな影響が?

携帯電話の場合、NTTドコモと契約しているほぼすべてのユーザーはこの3つのサイトの閲覧ができなくなるわ。一方で、ドコモの回線を借り受けている格安スマホ事業者のユーザーは対象外。固定回線では「OCN」や「ぷらら」などのプロバイダと契約している人がサイトを閲覧できなくなる。ただ、4月23日の時点で、この3つの海賊版サイトは、すでにサイトそのものに接続できなくなっているか、コンテンツが閲覧できない状態になっているわ。

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かなり強力な措置なんですね。

そうね。それだけに、ブロッキングには反対意見もあるわ。インターネットプロバイダーなどで作る団体は「利用者のアクセスの常時監視につながり、通信の秘密を侵害する」などとして導入に反対している。今回のNTTの対応が法律違反にあたるという専門家もいるわ。NTTも今回の措置は法制度が整備されるまでの短期的な緊急措置だとしていて「コンテンツ事業者の団体からの要請もあって導入を決めた」としているわ。

ソフトバンクは、今の時点ではブロッキングを行うかどうかは決まっていないとしている。KDDIも、方針は決めていない。著作権がきちんと保護され、作者などに正当な対価が払われることはもちろん大事。同時に個人の通信の秘密が守られることも重要で、今回のNTTの対応をきっかけに今後、波紋が広がりそうね。