株価乱高下 “恐怖指数”で何がわかる?
6日、日経平均株価の終値で1000円を超える急落となった東京株式市場。ニューヨーク株式市場でダウ平均株価が上昇したことから、7日は一転して値上がりに転じました。乱高下する世界の株価。その引き金の1つになったと指摘されているのが「恐怖指数」と呼ばれる指標です。皆さんはご存じでした?
「恐怖指数」って初めて聞きましたが、どんな指標なんですか。
投資家の不安な心理を表すとされる指標で、正しくはボラティリティ・インデックス、通称「VIX指数」というの。アメリカのシカゴ・オプション取引所が公表していて、ニューヨーク市場では、投資家がこの先、株価の値動きが激しくなると予想すると、この指数が上昇するのよ。
市場が通常の状態、海にたとえると「なぎ」のときは10から20の間で推移しているんだけど、30を超えると「大しけ」になる。
ちなみに、2008年のリーマンショックのときは80まで上昇、2011年のギリシャの財政危機のときは50近くまではね上がり、市場は大荒れの展開になったのよ。
投資家にとってみると、VIX指数は、波浪警報みたいなものといえるわね。
この2日間、世界の株価が乱高下しましたが、今回はどうだったんですか。
今回は、アメリカのニューヨーク市場が震源地となったわけだけど、過去最大の下げ幅を記録した5日は、指数が37まで上昇し、翌6日は一時50まで跳ね上がった。リーマンショックほどではないけれど、マーケットはまさに大しけの状態。
最近では、おととしの6月に行われた、イギリスのEU離脱を問う国民投票のときが25。11月に行われたアメリカ大統領選挙のときには22だったから、それを超える水準まで投資家の不安が強まったということね。それで売りが売りを呼ぶ展開となり、株価は大きく値を下げたわけ。
ヘッジファンドなどの海外の投資家の間では、コンピューターによる「超高速取り引き」が広がっていて、このVIX指数が上昇して一定の水準を超えると、損失のリスクを減らすため、売り注文を自動的に出す仕組みになっている。
人間が判断するのではなく、コンピューターが、1000分の1秒以下というとてつもない速さで売買を繰り返すシステムなので、特に、株価の下落局面では、売りが加速しやすいのよ。
経済の状況とは関係なく、株の取り引きが進んでいく面もあるということですね。
そういうことね。6日が終わった時点のVIX指数は29。マーケットはしばらく予断を許さない状況が続きそう。
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