NEW2017年12月27日

なぜLINEが貸し自転車?

通信アプリ大手のLINEは、来年から自転車を有料で貸し出す事業を始めると発表しました。有力なIT企業が、なぜ今、自転車のレンタルに乗り出すのでしょうか

LINEが自転車の貸し出しを始めるそうです。意外ですね?

むしろ、LINE「も」始めるんだと思ったな。最近は、自転車のシェアリングサービスと呼ぶけど、NTTドコモは、2年前から本格的に始めているよ。ソフトバンクもセブンーイレブン・ジャパンと組んでコンビニで自転車を貸し出す事業を11月に始めたばかり。来年度にはステーションを1000店舗まで増やす計画だって。

へえ、参入する企業が相次いでいるんですね。そんなにもうかるんですかね?

貸し自転車の需要は高まるだろうという人が多いね。若い人たちの間では、車でも衣料品でも人と共有したりレンタルで済ませたり、「持たない」ライフスタイルが広がっているよね。そんな中で、渋滞の解消や環境対策という面から交通手段としての自転車の魅力が改めて注目されているから、貸し自転車の需要も増えるだろうというわけ。東京オリンピック・パラリンピックに向けて増加が見込まれる外国人旅行者の需要を狙う企業もあるよ。

通信やIT系企業が多いのは、なぜなんでしょう?

貸し自転車のサービスがスマートフォンとの相性がいいからじゃないかな。例えばLINEの場合なら、スマホのアプリで自転車がどこにあるかを探して、ロックの解除や料金の支払いもできるようにするんだって。

たしかに便利そうだし、携帯電話やIT系の企業にとっては、サービスのメニューを増やすという感じですね。

そうそう。LINEのアプリは、国内の利用者が7100万人もいるそうだけど、新しいサービスを提供することで、さらに伸ばしたいと考えているわけ。例えば、フリマアプリのメルカリも、来年から自転車シェアのサービスを始める計画だよ。ネットを通じたサービスで一定の顧客基盤を持つ企業が、独自の経済圏を広げるツールとして、貸し自転車が広がり始めたといったところかな。