“副業・兼業” 認める?認めない?
あなたは、「副業・兼業」をしていますか?
政府は今、“柔軟な働き方”として本業とは別に仕事をする副業・兼業の普及を目指しています。しかし、多くの大手企業が加盟する経団連の榊原会長は、課題が多いとして、推奨できないという考えを明らかにしました。
給料がなかなか増えないなか、副業・兼業でお小遣いを増やしたい。そんなサラリーマンは少なくないと思うんですが、副業・兼業を認めない会社のほうが多いんですよね。
経済産業省がおととし(平成27年)行った調査では、副業・兼業を就業規則で禁止していると答えた企業は、全体の85.3%。企業に勤める従業員の副業は公務員と違って、法律上は認められているんだけど、浸透していないのが現状ね。
経団連の榊原会長が指摘したように、企業が認めないのは、まず、営業秘密の漏えいのリスクがあること。ライバル企業でも働いて、会社の秘密を漏らされたら困るでしょ。それに、副業のほうを頑張りすぎて、本業がおろそかになるとか、勤務管理がしづらいとかも理由とされているわ。
多くの企業が認めていないのに、どうして政府はいま、副業・兼業の普及を目指そうとしているのですか?
政府が推進する「働き方改革」の中では、長時間労働の是正という問題のほかに、もっと多様で柔軟な働き方を実現しようという議論も行われているの。
厚生労働省が11月に示したガイドラインの案によると、副業・兼業を希望する人は年々増えていて、所得を増やしたいという人もいれば、本業という、いわば保険がある中で、自分のやりたいことに挑戦し、自己実現を追求したいという人もいる。
それに、最近はインターネットを使って自宅で働く「テレワーク」の環境が整ってきていて、昔と比べて副業・兼業をしやすくなってきているとも言えるでしょ。だから、政府が旗振り役となって普及を目指そうとしているわけ。
僕たちみたいな若い世代の中には、昔のような終身雇用の時代じゃないし、会社が定年まで本当に面倒を見てくれるのか不安だという人も少なくない。働きながら、将来の起業や転職に向けた準備ができるという点では、副業・兼業の道があったほうがいいかもしれないですね。
最近では、リクルートホールディングスやロート製薬など大手企業の中にも副業・兼業を認める動きが出ているの。IT企業のヤフーは、会社の事業と競合しないことを条件に副業を認めていて、副業は、社員のスキルの向上や経験の蓄積につながるなど、企業側のメリットも大きいという意見もあるの。
厚生労働省は、来年3月までにガイドラインを最終的にまとめることにしていて、あなたの会社でも副業・兼業を認めるかどうか、議論されるかもしれませんよ。
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