新型コロナ 世界からの報告
米政府首席医療顧問のファウチ博士
2022年12月で退任の意向

2022年8月23日

アメリカの歴代7人の大統領のもとで感染症対策に取り組み、首席医療顧問として新型コロナウイルスの対策にあたってきたファウチ博士が、2022年12月で退任する意向を発表しました。

アメリカ政府で首席医療顧問を務めるアンソニー・ファウチ博士は8月22日、声明を発表し、首席医療顧問と、NIAID=アメリカ国立アレルギー・感染症研究所の所長の職から、ことしの12月で退任する意向を示しました。

ファウチ博士はアメリカの感染症研究の第一人者で、1984年にNIAIDの所長となって以来、当時のレーガン大統領から今のバイデン大統領まで、7人の大統領にエイズやエボラ出血熱など、さまざまな感染症対策の助言を行ってきました。

新型コロナの対策でも、感染状況を分析して政府の対応を強力に支援したほか、国民に向けてワクチン接種の重要性を訴えるなど、大きな影響を及ぼしてきました。

ファウチ博士は、「私は今の立場からは退くが、引退するわけではない。エネルギーと情熱がある間は、自分のキャリアの次の段階を追い求めたい」として、今後は感染症対策に携わる次の世代の育成などにあたる意向を示しました。