新型コロナ 世界からの報告
北朝鮮 “新型コロナ 感染者確認”
初めて公式に明らかに

2022年5月12日

北朝鮮は5月12日、朝鮮労働党の政治局会議を開き、首都ピョンヤン(平壌)で新型コロナウイルスの感染者が確認されたとして「最大非常防疫態勢」に移行することを決めたと発表しました。北朝鮮が国内での新型コロナの感染確認を明らかにしたのは初めてで、キム総書記は、すべての市や郡を封鎖して感染拡大を抑え込むよう指示しました。

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は5月12日、キム・ジョンウン(金正恩)総書記が出席して党の政治局会議が開かれ、新型コロナウイルスの変異ウイルス、オミクロン株が流入したとして「最大非常防疫態勢」に移行することを決めたと伝えました。

5月8日に首都ピョンヤンで発熱した複数の人の検体を確認したところ、オミクロン株と一致したとしていて、北朝鮮が国内での新型コロナの感染確認を明らかにしたのは、これが初めてです。

会議でキム総書記は「すべての市や郡を徹底して封鎖し、ウイルスが広がる空間を完全に遮断する」と述べ、感染拡大の抑え込みに全力を挙げるよう指示しました。

紙面に掲載された写真では、スーツ姿のキム総書記を除いて、党の幹部たちが全員マスクを着用しているほか、時計の針が3時前を指していて会議が未明に招集されたとみられることが確認できます。

一方、キム総書記は「ウイルスよりも危険な敵は、非科学的な恐怖や弱い意志だ。われわれには高い政治意識があり、必ず勝利できる」と強調し、北朝鮮内部で動揺が広がりかねないとして、神経をとがらせていることをうかがわせています。