新型コロナ 世界からの報告
生活が一変 アメリカ
ロサンゼルスは今

2020年10月5日

新型コロナウイルスの感染者数が世界でも最も多いアメリカ。中でも、西部カリフォルニア州は深刻です。ことし3月には、「ステイ・アット・ホーム」と呼ばれる外出自粛令がだされ、住民の生活は一変しました。現地の様子についてロサンゼルス支局の及川順支局長がお伝えします。
(ロサンゼルス支局長 及川順)

感染者数80万超

新型コロナウイルスの感染拡大が続くカリフォルニア州。感染者数は累計で80万人を超え、亡くなった人は1万5000人以上にのぼっています。

外出自粛令に伴って、住民たちは行動が制限され、生活は一変。一時は、レストランのほとんどが営業を自粛したり、スーパーでは入場が制限されたりしていました。

ステイ・アット・ホーム!?巣ごもり生活

ただ、最近では営業を始めるレストランなどが多くなってきています。

それでも依然として、感染対策のため、店内での営業は行っておらず、多くの客は、テイクアウトを利用しています。
さらに最近、屋外のテラス席を解放する店も増えていて、週末になると、多くの客でにぎわっています。みなさん、半年以上にわたる、巣ごもり生活にさすがに疲れているようです。

一方、スーパーでは入場制限が続いています。夕方には店の前に並ばないと入れない時もありますが、「ステイ・アット・ホーム」が始まった当初よりは混雑は緩和され、買い物もずいぶん楽になりました。

しかし、半年たった今も、繁華街の映画館などは閉まったままで、企業のオフィスが入っているビルも閑散としています。

学校生活も一変 オンラインにドライブスルー

そして、「ステイ・アット・ホーム」で、生活が一変したのは大人だけでなく、子どもたちもです。特に大きく変わったのが学校です。

新型コロナウイルスの感染拡大で、ロサンゼルスの小学校では、ことし3月以降、教室での授業がなくなりました。新年度は例年通り8月18日に始まりましたが、依然として、オンラインによる授業です。ちなみに夏休みは短縮されず、通常通り2か月間の休みでした。

このうちロサンゼルス近郊にある小学校では、新年度が始まる前に、教材の受け取りなどが行われましたが、ここでもその影響がー。

教材の受け取りは、密集を避けるために、学級ごとに25分刻みで登校時間が指定されました。保護者と子どもは車で登校し、学校に到着しても車の中にとどまったまま。つまりドライブスルー方式で新しい担任の先生とあいさつし、教材を受け取っていました。

また、オンライン授業のためにタブレットも貸し出されていました。タブレットにはいくつかのアプリが入っていて、出欠も、先生からのプリントの配布も、保護者への連絡もすべてオンライン上でできるようになっています。これらのアプリはスマートフォンに入れることも可能だということです。

オンライン授業長期化 つながりづくりに工夫

この学校では授業はオンライン会議アプリ「Zoom」を使って行われています。オンラインの授業が30分、その後、オフラインで課題をこなす時間20分、そして10分間の休憩というのが1つのパターンとなっていて、家にいても学校にいる時と同じカリキュラムが組まれているようです。

また、クラスメートや担任との精神的つながり、連帯感をつくるためにさまざまな工夫も行われていました。ある担任は、今はまだ子どもたちが入ることができない教室の様子を動画で撮影して、クラスのサイトにアップしていました。動画をよくみると、机には子ども1人1人の名札がつけられていました。子どもたちの声が教室に響く日常が早く戻ってきてほしいという思いからです。学校では先生たちが子どもたちと一緒にコロナ禍を乗り切るための知恵を日々出し合ってくれているようです。

感染拡大から半年がたちましたが、ここロサンゼルスでも、日常がもどるのは、まだまだ時間がかかりそうです。

ロサンゼルス支局長

及川 順
(おいかわ じゅん)