新型コロナ 世界からの報告
イギリス 新型コロナ感染者の隔離期間
7日間から最短で5日間に短縮へ

2022年1月14日

新型コロナウイルスの急速な拡大で隔離となる人が増え医療機関や交通機関などで働く人の不足が深刻な状況となる中、イギリスは感染した人の隔離期間をこれまでの7日間から最短で5日間に短縮すると発表しました。

変異ウイルスのオミクロン株が拡大し、一日の感染者が連日、10万人を超えるイギリスでは、隔離によって外出できなくなる人が急増し、医療機関や学校、それに交通機関などで働く人が不足する事態になっています。

イギリス政府は2021年12月、ロンドンのあるイングランドで、感染した人の隔離期間を10日間から最短で7日間に短縮しましたが、社会的な影響が深刻になる中、1月17日からはさらに短くし、5日間とすると発表しました。

ジャビド保健相は、経済や教育などといった社会活動への影響と、隔離を終えた人が感染を広げるリスクとを検討した結果だと説明しました。

発表によりますと、隔離を5日間で終えられるのは、検査によって陰性が2回連続で確認され、熱がなかった場合だということです。

保健当局は、5日間で隔離を終えても、周囲の人を感染させる可能性があるとして、マスクの着用や、混雑した場所での接触を避けることなどを求めています。

感染した人の隔離期間をめぐっては、アメリカでも一定の条件のもとに5日間に短縮していて、感染拡大による社会への影響に対応する動きが広がっています。

仏・独・伊でも隔離期間を短縮

感染の拡大が続くヨーロッパでは感染者や接触者の隔離期間を短縮する国が相次いでいます。

このうちフランスは感染者はワクチンを接種していれば隔離期間を7日間に短縮し、医療従事者などは症状がなければ隔離の免除も可能だとしています。

また、ワクチンの接種を済ませた接触者は検査を受けることを条件に隔離を免除しています。

ドイツは感染者の隔離期間を検査で陰性となれば7日間に短縮し、接触者はワクチンの追加接種を受けていれば隔離を免除しています。

イタリアもワクチンの追加接種を受けているなど一定の条件のもとで感染者の隔離期間を7日間に短縮し、接触者は隔離を免除しています。

また、ECDC=ヨーロッパ疾病予防管理センターは、社会や暮らしを支える「エッセンシャルワーカー」の隔離期間について、ワクチンの追加接種など一定の条件を満たしていれば、3日間に短縮できるとする指針を示しています。

米カリフォルニア州 医療従事者 陽性でも無症状なら隔離不要へ

アメリカ西部 カリフォルニア州の保健当局は、新型コロナウイルスの感染拡大で医療従事者が不足していることから、2月1日までの間、医療従事者自身が陽性と確認されても無症状であれば隔離を不要とし、業務を継続できるとする方針を打ち出しました。

勤務にあたっては、高性能なマスクを着用するよう義務づけたうえで、新型コロナの陽性患者の対応にあたることが望ましいとしていますが、すぐに検査ができない救急病棟や人手不足が深刻な職場では、このかぎりではないとしています。

ただ、この方針に対し現地ではほかの患者に感染を広げるおそれがあり危険な対応だとして、反対の声が上がっています。