新型コロナ 世界からの報告
中国 感染対策緩和も感染者数は高止まり
市民からは不安の声

2022年12月9日

中国では新型コロナウイルスの感染対策が緩和された一方、感染者の数は高止まりの状態が続いています。首都・北京では感染のさらなる拡大に備えようと、市民の間で市販の薬や抗原検査キットを購入する動きが広がっていて、売り切れになる薬局も出ていることから不安の声も上がっています。

中国政府は12月7日、新型コロナウイルスの感染対策について、無症状や症状の軽い人は自宅での隔離を認めるほか、高齢者施設や学校などを除きPCR検査から抗原検査への切り替えを進めるなどとする、新たな措置を発表しました。

一方、感染者の数は高止まりの状態が続いています。

こうした中、北京市内の薬局では感染のさらなる拡大に備えようとする市民が長い列を作り、解熱剤などの市販の薬や抗原検査キットを購入する姿が見られました。

中にはすでに売り切れになった薬局も出ています。

抗原検査キットを買いに来たという女性は「いくつか薬局を回りましたがどこにも売っていませんでした。市販の薬も買いづらくなっています」と話していました。

また、のどの痛みがあるという男性は「こんなに人が並んでいて買えるかどうかも分かりません。のどが痛いのに薬がないのは心配です」と話していました。

中国政府としては「ゼロコロナ」政策への抗議活動や停滞する経済を受けて、対策を緩和した形ですが、市民の間では感染拡大への不安も広がっています。