新型コロナ 世界からの報告
中国 10人分の検体を
まとめる方式のPCR検査で陽性疑い相次ぐ

2022年12月9日

中国では、新型コロナウイルスの感染状況を迅速に把握するため、10人分の検体を1つの試験管にまとめる方式でPCR検査が行われてきましたが、感染拡大が続く中、感染していないにもかかわらず陽性が疑われるケースが相次ぎ、市民生活に影響が出ています。

中国政府は12月7日、新型コロナウイルスの感染対策を緩和させ、これまで多くの場所で提示を義務づけてきたPCR検査の陰性証明を求めないと発表する一方、医療機関や学校などでは引き続き必要だとしています。

また、北京では、店内で飲食する際などに48時間以内の陰性証明を求めています。

中国のPCR検査は、10人分の検体を1つの試験管にまとめて検査する方式が一般的で、陽性が疑われる結果が出ると1人ずつ再検査して感染者を特定します。

感染者が少なかった時期には、多くの人の感染状況を迅速に把握する方法として効果的に機能していましたが、感染拡大が続く中、感染していないにもかかわらず陽性が疑われるケースが相次ぎ、再検査で陰性の結果が出るまで自宅待機を求められるなど市民生活に影響が出ています。

北京にある日本大使館でも、複数の大使館員に陽性が疑われる結果が出たため、7日からは緊急時を除いて一般の人の入館を規制し、電話やメールで対応していて、今後については状況を見て判断するとしています。

しかし今回、感染対策を緩和したことで、感染がさらに拡大する懸念が強まっていて、市民生活のいっそうの混乱も予想されます。