新型コロナ 世界からの報告
中国 感染拡大へ警戒強まる
営業取りやめなど市民生活に影響

2022年11月21日

中国では行動制限などを伴う「ゼロコロナ」政策が続くなか、2日連続で新型コロナウイルスの感染者の死亡が確認されるなど、感染拡大への警戒が強まっています。首都 北京では在宅勤務を呼びかけたり、商業施設が営業を取りやめたりするなど、市民の生活に影響が広がっています。

中国政府の発表によりますと、中国国内では20日、31ある省や自治区などで新型コロナウイルスの感染者が、合わせておよそ2万6000人確認されました。

北京では11月19日、中国でおよそ半年ぶりとなる死者が確認されたのに続き、11月20日も91歳の女性と88歳の男性の感染者が、基礎疾患の症状が悪化して死亡したということです。

中国では感染拡大を徹底して抑え込む「ゼロコロナ」政策のもとで厳しい行動制限が続いていて、北京市の当局は不必要な外出の自粛を呼びかけています。

商業施設には営業を取りやめる動きも出ていて、このうち北京中心部の繁華街、王府井は11月21日、多くの店舗が臨時休業していて、人の姿も少なく閑散とした様子でした。

また、北京で感染者が最も多い中心部の朝陽区では、すべての飲食店で店内飲食が禁止されているほか、一部の店舗には感染対策を徹底するよう注意を促す大きな紙が貼られています。

さらに区からは出ずに在宅勤務を実施するよう呼びかけられるなど、市民の生活に影響が広がっています。

香港政府トップ コロナ検査で陽性

香港政府は、APEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議に出席するためタイを訪れた李家超行政長官が、香港に戻ったあと、新型コロナウイルスの検査で陽性が確認されたと11月21日発表しました。

香港政府トップの李長官は11月17日からタイを訪問し、APECの首脳会議に出席したほか、シンガポールとインドネシア、それにベトナムの首脳とそれぞれ会談を行い、11月20日香港に戻りました。

期間中、中国の習近平国家主席との正式な会談は行われませんでしたが、APECの首脳会議で李長官は習主席の隣に座り、会議が始まる前には習主席と握手をしてことばを交わすなどしていました。

また、中国の王毅外相とも別の会議で隣どうしとなり、ことばを交わす場面もありました。

香港政府によりますと、李長官がタイに滞在中に行った検査ではすべて陰性だったということです。