新型コロナ 世界からの報告
中国 北京 飲食店での食事
6月6日から一部地域除いて解禁

2022年6月6日

中国の首都、北京では、新型コロナウイルスの感染対策としておよそ1か月にわたって市内全域で禁止されていた飲食店での食事が6月6日から解禁されました。
地元当局は、制限の緩和によって地域経済の回復を図りたい考えです。

北京では、4月下旬以降、新型コロナウイルスの感染者が相次いで確認され、5月は一日当たり50人前後の日が続いていました。

これを受けて北京市の当局は、市内全域で飲食店での食事をおよそ1か月にわたって禁止してきましたが、感染者数が減少傾向にあることから、6月6日から、一部の地域を除いて解禁されました。

また、市内の多くの地域で在宅勤務ではなく通常どおりの勤務が認められ、観光施設や公園、映画館なども人数制限を残したうえで再開されます。

さらに、オフィスや商業施設を含む公共の場所への出入りには、これまでは「48時間以内」のPCR検査の陰性証明が必要でしたが、この有効期限を「72時間以内」に緩和されました。

中国では、厳しい感染対策による消費の落ち込みが経済への打撃となっていて、市当局としては、制限の緩和によって地域経済の回復を図りたい考えです。

一方、市当局は、オンラインに切り替えていた小中学校や幼稚園などの授業についても、来週以降、段階的に対面の授業に戻すとしています。

大手火鍋チェーンの店舗は久しぶりのにぎわいも

市内中心部にある大手火鍋チェーンの店舗には、昼前から多くの客が訪れ、久しぶりのにぎわいを見せていました。

職場の同僚と訪れた男性は「店で食事したいと毎日思っていたので、うれしいです。ただ、また感染が広がって食事ができなくなる心配もあります」と話していました。

この店では、店内での飲食が禁止されていた期間中は、自宅でも火鍋を食べられるよう食材と鍋をセットで配達していましたが、売り上げの落ち込みが痛手となっていました。

店の責任者は「売り上げへの影響は大きく接客もできない日が続きつらかったですが、ようやく再開できてうれしいです」と話していました。

ただ、北京以外の都市との旅行などの制限は残っていて、景気の減速によって消費者心理が冷え込んでいると指摘されている中、落ち込んでいる個人消費を速やかに回復できるかが、課題となります。