新型コロナ 世界からの報告
上海 隔離施設めぐり住民と警察が衝突
ネットで当局批判も

2022年4月15日

新型コロナウイルスの感染拡大が続く中国の上海で、当局が国有の賃貸マンションを隔離施設として利用するため一部の住民を退去させようとしたところ、住民が抗議活動を行い、警察と衝突する事態となりました。インターネット上では当局への批判も出ています。

中国の上海では、新型コロナウイルスの一日の感染者数が4月14日、無症状の人を中心に2万3072人確認されました。

感染者数が前の日に比べて減少したのは4月11日以来となりますが、過去最悪の水準が続いています。

感染拡大が続く中、4月14日、東部の浦東新区で当局が国有の賃貸マンションを隔離施設として利用するため一部の住民を退去させようとしたところ、住民が抗議活動を行い、警察と衝突する事態となり、この様子を映した動画がSNS上で拡散されました。

マンションを保有する国有企業は、抗議活動が起きたことを認めたうえで、入居中の住民には補償を行ったうえで、マンションの別の棟などに移ってもらい解決したとしています。

しかし、インターネット上では「こんな対応はありえない」とか「常識とかけ離れていて住民のことを思うとつらい」などと当局への批判も出ています。

SNS上の動画は相次いで削除されていて、中国政府は外出制限が長期化し住民の不満が高まる中、反発が広がらないよう神経をとがらせているとみられます。