新型コロナ 世界からの報告
新型コロナ「感染急拡大の中国で
新たな変異株確認されず」WHO

2023年1月5日

WHO=世界保健機関は、新型コロナウイルスの感染が急拡大している中国の当局からウイルスのデータが示され新たな変異株は確認されなかったと明らかにしました。
一方で、死者数などについて実態を正確に反映していないと指摘し、中国側にさらなる情報の開示を求めました。

WHOは、感染が急拡大している中国の疾病予防センターの専門家と行った会合の中で12月1日以降に現地で採取された2000以上のサンプルに基づいたウイルスのデータが示されたと1月4日、発表しました。

中国側の解析では、これらのウイルスは、オミクロンの変異株である「BA.5.2」や「BF.7」など、すでに各国でも確認されているもので、新たな変異株は確認されなかったということです。

一方、この日の定例会見で、危機対応を統括するライアン氏は中国政府の発表する統計について「死者数については定義が狭いなどの問題があり、感染の影響が過小評価されている」と述べ、実態を正確に反映していないと指摘しました。

また、テドロス事務局長も、「中国の人たちの命のリスクを懸念する。われわれは中国に対し、より迅速で信頼できるデータとウイルスの情報を求め続ける」と述べ、正確な分析と対策を行うため、中国側にさらなる情報の開示を求めました。

EU 中国からの渡航者めぐる対応を協議

EU=ヨーロッパ連合の加盟国は1月4日、中国からの渡航者をめぐる対応について協議しました。

EUではすでに一部の加盟国が水際対策の強化を発表していますが、協議の結果、各加盟国が連携して予防的な対応をとることで合意しました。

具体的には、▽中国を発着する便のすべての利用者に対して、機内でマスクの着用を推奨するほか、▽各加盟国に対しては、中国からのすべての渡航者に、出国する前48時間以内に行った検査での陰性証明を求めるよう、強く推奨するとしています。

EUでは1月半ばまでに改めて状況を評価し対応について検討するとしています。