新型コロナ 世界からの報告
中国 新型コロナ
一日で2100人余の感染確認 企業活動にも影響

2022年3月14日

中国では、3月に入って新型コロナウイルスの感染が各地で拡大していて、中国政府は3月13日、一日で2100人余りの新規感染者が確認されたと発表しました。
IT企業などが集まる南部の広東省深※センでは市民の外出が制限され、企業活動にも影響が出ています。

中国の保健当局は3月14日、新型コロナウイルスに市中感染した人が3月13日の一日で無症状の人を含め2125人確認されたと発表しました。

中国では、3月に入ってオミクロン株の感染が各地で拡大していて、市中感染した人は4日連続で1000人を超え、内陸部の湖北省武漢で感染が拡大していた2020年2月以来の水準になっています。

感染拡大を受けて、ITやハイテク企業が集まる人口およそ1700万の南部の広東省深※センでは、地元当局がすべての市民を対象にPCR検査を始めました。

さらに、3月14日から1週間、地下鉄などの公共交通機関を運休させて市民の外出を制限するほか、大部分の企業に対して休業にするかリモートワークに移行するよう指示していて、企業活動に影響が出ています。

このほか東北部の吉林省では、中心都市の長春で外出制限が続いているほか、地元政府は、省や市をまたいだ移動を3月14日から原則、禁止すると発表しました。

中国では、感染を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策がとられていて、各地で対策が強化されています。

※センは「土」へんに「川」。

日系企業にも影響

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ITやハイテク産業が集まる中国南部の広東省深センでは、企業活動に影響が広がっています。

深センでは、3月13日も新たに75人の感染が確認され、地元政府は3月14日から1週間、地下鉄などの公共交通機関の運行を停止し、企業に対して休業にするかリモートワークに移行するよう指示しています。

このうち、iPhoneの生産を請け負う台湾の「ホンハイ精密工業」のグループ会社「フォックスコン」は、深センにある生産拠点の操業を一時的に停止し、社員全員を自宅待機にしているということです。

また、深センにある日系企業にも影響が広がっていて、ビール大手のアサヒビールは深センにある中国企業との合弁工場の生産と出荷を1週間停止するほか、日本の電気部品メーカーの中には、3月14日から生産を停止しているところもあります。

さらに、日本の精密機器メーカーの中には深センの工場から部品が供給されないため、別の都市にある工場の生産を止める対応をとるところも出ています。

一方で、地元政府は工場内に社員寮があれば通常どおりの操業を認めているということで、通信機器大手の「ファーウェイ」や自動車メーカーの「BYD」のほか、日系企業でも通常どおりの生産を続けているところもあるということです。