新型コロナ 世界からの報告
中国 3月5日から全人代
「ゼロコロナ政策」当面継続の見通し

2022年3月4日

中国で重要政策を決める全人代=全国人民代表大会が3月5日から始まるのを前に、全人代の報道官が記者会見し、新型コロナウイルスの感染を徹底して抑え込む「ゼロコロナ」政策について、当面、継続されるという見通しを示しました。

中国の全人代が3月5日から北京で始まるのを前に、3月4日、全人代の張業遂報道官が記者会見しました。

この中で、張報道官は、徹底して感染を抑え込む「ゼロコロナ」政策が長期化することによる中国経済への影響について「生産や生活に一定の影響は出ているが、影響は短期的かつ限定的で、国内の大多数の人たちは普通に生活できる」とメリットを強調しました。

そのうえで「中国の実情にあっていて正しい方法であることは、事実が証明している」と述べ、当面、継続されるという見通しを示しました。

一方、全人代を前に、3月4日は北京の人民大会堂で国政の助言機関である政治協商会議が始まり、習近平国家主席ら共産党最高指導部のメンバーが姿を見せました。

全人代は3月11日まで開かれ、初日の3月5日は李克強首相が政府活動報告を行う予定で「ゼロコロナ」政策の影響で景気減速が続く中、2022年の経済成長率の目標をどのように設定するのかが焦点です。

また、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が、東アジアの安全保障環境にも影響を及ぼすのではないかと指摘される中、中国の国防費の動向や台湾に対する方針も注目されます。

北京の会場周辺は厳戒態勢

3月5日から全人代が開かれる北京では、警察当局が厳戒態勢で会場周辺の警備に当たっています。

会場となる人民大会堂周辺では、3月4日、交差点などに警察官や警察車両が配置され、通行する人を呼び止めて、本人と分かる証明書を確認する様子も見られました。

また、全人代の出席者が宿泊するとみられるホテルの前には、軍の指揮下にある武装警察の隊員が配備されるなどものものしい雰囲気でした。