新型コロナ 世界からの報告
ブラジル コロナ感染対策調査の特別委
遺族が政府の対応批判

2021年10月19日

新型コロナウイルスに感染して死亡した人が60万人を超えた、南米のブラジルで、亡くなった人の遺族が議会で証言し、政府が適切な対応をとらなかったことが死者の増加を招いたとの批判が相次ぎました。

ブラジルの議会上院は、ボルソナロ大統領が進める新型コロナウイルスの感染対策が適切だったかどうか、特別委員会を設けて調査を進めていて、10月18日、亡くなった人の遺族が当時の状況を証言しました。

このうち、北西部アマゾナス州の看護師の女性は、医療態勢が崩壊して同僚や妹が感染して死亡し、自身も2回感染したと述べ、親を亡くした多くの子どもが今も支援を求めていると訴えました。

また、両親が新型コロナウイルスに感染して亡くなったという女性は「ボルソナロ大統領が呼吸ができない人のまねをする姿を見て、打ちひしがれた」と涙ながらに思いを語ったほか、20代の息子を失った男性は「大統領がマスクの着用やワクチンの接種に反対したことが息子の死につながった」と、政府の対応を批判しました。

そして、遺族の男性が、60万人の死を悼む意味をこめた白い布600枚を議員に手渡し、政府の責任を厳しく追及するよう求めました。

議会の特別委員会は、今回の遺族の証言などをもとに、政府の感染防止対策に関する調査結果をまとめることにしています。