絶対に後ろを見ずに、前だけを見て

野上亮磨

野球

34歳で現役引退を決断したプロ野球 巨人の野上亮磨。その野球人生終盤はけがに悩まされ続けた。
ドラフト2位で社会人野球のトヨタ自動車から西武に入団。ふた桁勝利を2回マークするなど、先発ローテーションの一角を担った。

FA宣言をして4年前に巨人に移籍。1年目は25試合に登板して4勝をあげた。2年目は登板数が半分近くに減り、秋にはアキレスけん断裂の大けが。3年目はマウンドに上がることができなかった。それでも気持ちを切らすことなく、懸命にリハビリを続けた。

「正直、アキレスけんを切った時にもう引退かなと思いました。それでもトレーナーやいろんな人たちが親身になってくれて、もう1回、1軍で投げる目標ができました」

2021年シーズンは開幕2軍スタートも、4月に1軍のマウンドに戻ってきた。最初の登板で先発を任され、負け投手になったが6回2失点と試合は作った。

「いろんな人に感謝しないといけない。結果を出せてほっとしました」

その後はリリーフとして登板を重ねたが、5月18日の広島戦。右肩に違和感を抱き、わずか4球を投げたところで緊急降板となった。結果的にこれが野上にとってプロ最後のマウンドとなった。

「リハビリをと思ったが、なかなかうまくいかず、だったら1軍の試合で出し切ってのけがなので。今は腕を振ることが怖い、それが大きい」

野上は自身の経験を踏まえ、けがなど困難に立ち向かう人へエールを送った。

「諦めたらいけないと思います。あとは周りの方に感謝しながら、自分のため、周りのために続けて、絶対に後ろを見ずに、前だけを見て」

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