【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(6月16日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる16日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、およびロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

平和サミット “ロシアを参加させるべき”の声相次ぐ

「平和サミット」では初日の15日、ロシアを議論に参加させるべきだという声が新興国などの首脳や閣僚から相次ぎました。

このうち、ケニアのルト大統領は「このサミットは単なる友人どうしの会合であってはならない。ロシアはテーブルについていなければならない」と述べ、ロシアの参加が必要だと訴えました。また、トルコのフィダン外相も「ロシアが同席していれば、このサミットはより結果重視のものになったかもしれない」と述べたほか、サウジアラビアのファイサル外相も「平和のための道筋を作るには困難な妥協が必要であり、信頼できるプロセスのためにはロシアの参加は不可欠だ」と述べました。

一方、ロシアと関係を深める中国も「平和サミット」に参加せず、これに対抗する形で中国の提案への支持を各国に働きかけているとみられます。

ロイター通信は、ウクライナがロシアの参加を拒み続けると対抗的な枠組みができるとした上で「ウクライナが主導権を失うおそれがある」と指摘する専門家の見方を伝えています。

ロシア ペスコフ報道官 平和サミットに冷ややかな対応

スイスで行われている、ウクライナが提唱する和平案について各国の首脳などが話し合う国際会議「平和サミット」について、ロシア国営のタス通信は15日ロシア大統領府のペスコフ報道官が「彼らに伝えることは何もない。もっと有意義な会議を開催したい」と述べたと伝え、ロシアが参加していない「平和サミット」に冷ややかな対応を示しています。

ウクライナ軍への軍事支援 届き始める

激しい戦闘が続く前線ではことし4月にアメリカが再開を決めたウクライナ軍への大規模な軍事支援が徐々に届き始めています。

ウクライナのハウリリュク国防第1次官は、15日に配信されたAP通信の取材に対し「大西洋を越えて運ぶには時間がかかる。しかし、結果は出始めている。ロシア軍の砲弾の優位性はことしのはじめには7対1だったが、今は5対1まで下がってきている」と述べ、砲弾の不足がわずかながら改善されてきていると強調しました。

ただ、ロシアのプーチン大統領は14日、ウクライナの前線に展開しているロシア軍の兵士は70万人にのぼると主張していて、ロシア側の攻勢が続いています。

ゼレンスキー大統領 有利な形で和平目指したい考え示す

ウクライナが提唱する和平案をめぐる国際会議「平和サミット」が15日、スイス中部のビュルゲンシュトックで始まり、岸田総理大臣やアメリカのハリス副大統領、フランスのマクロン大統領など各国の首脳らが参加しました。

この中でウクライナのゼレンスキー大統領は「世界が対立するブロックに分裂してしまうという、もっとも恐ろしい事態を避けることができた」と述べ、ロシアとの関係も重視するグローバル・サウスと呼ばれる新興国も含めておよそ100の国や国際機関が参加したとして意義を強調しました。

その上で、今後、各国と行動計画を作成してロシア側にも伝えるなどウクライナに有利な形で和平を目指したい考えを示しました。そして、ゼレンスキー大統領は再び「平和サミット」を開いた上で戦争の終結を確定させたいと強調しました。

ロシア プーチン大統領の和平交渉条件を米が批判

「平和サミット」会議前日の14日、ロシアのプーチン大統領が、和平交渉を始める条件だとする自身の提案を一方的に示しましたが、これについてアメリカのハリス副大統領は「彼が求めているのは交渉ではなく降伏だ」と批判した上でウクライナ支援を継続する考えを示しました。

一方、サウジアラビアのファイサル外相は「困難な妥協」という表現を使い、和平の実現にはロシアを議論に参加させる必要があるという考えを明らかにしました。

岸田首相 「平和サミット」で支援継続の決意を示す

岸田総理大臣は「平和サミット」に出席し、ウクライナの平和の実現は世界を協調に導くために象徴的に重要だとして、日本も支援を続けていく決意を示し、関係国に連携を呼びかけました。

この中で岸田総理大臣は「日本は2年前にロシアが侵略を開始した直後から『きょうのウクライナはあすの東アジアかもしれない』との考えのもと、ロシアに対する厳しい制裁と強力なウクライナ支援を実施してきた」と述べました。