【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(5月4日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる4日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、およびロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ウクライナ ロシア側の捕虜となった兵士解放が課題に

ロシアによる軍事侵攻が2年以上続くウクライナでは、ロシア側の捕虜となった兵士の解放が大きな課題となっています。

これについてゼレンスキー大統領は3日、国境警備隊の教育施設で受けた質問に対し「捕虜の交換はロシア側と行っているが、望んでいるよりゆっくりしか進んでいない。捕虜全員の交換が望ましい」と述べました。

そしてほとんどの国々がこれを支持しているとしたうえでウクライナが提唱する和平案の実現に向けて6月、スイスで開かれる国際会議「平和サミット」で捕虜全員の交換を早期に進める方策について話し合いたいという考えを示しました。

またゼレンスキー大統領は「平和サミット」ではこの問題のほか、エネルギーや核の安全保障、黒海やアゾフ海での自由な航行、それにロシアに連れて行かれた子どもの帰国についても議論したいという考えを示しました。

ウクライナ東部の高台めぐり攻防続く

ウクライナへの侵攻を続けるロシア軍は、3日もウクライナ東部のドネツク州で激しい攻撃を続けています。

ウクライナの地元当局によりますと、ドネツク州にある高台の要衝、チャシウヤルで3日、ロシア軍の無人機による攻撃があり住民1人が死亡するなど、州全体であわせて3人が死亡し、5人がけがをしました。

チャシウヤル周辺の地域に展開するウクライナ軍の部隊のナザール・ボローシン報道官が3日、NHKの単独インタビューにオンラインで応じました。

このなかでボローシン報道官は、ロシア側にはドネツク州全域を支配するという目標があり、高台にあるチャシウヤルを押さえたうえでさらに北西にある都市などに進軍する狙いがあると述べました。

ただ、前線ではウクライナ軍の部隊も反撃していると強調し「チャシウヤルの街の中には入れていない」と説明しました。

そのうえでロシア軍は砲撃や空からの攻撃を続けているということで、ボローシン報道官は「ウクライナ軍が防御できる場所がなくなるよう街を徹底的に破壊している」との見方を示しました。

さらにロシア軍が、いま攻勢を強めている理由についてボローシン報道官は今月9日の第2次世界大戦の戦勝記念日に向けて、戦果をあげたいという思惑のほか「ウクライナに海外から軍事支援が届く前に、前線であらゆることを試みている」という見方を示しました。

一方、ロシアのショイグ国防相は、3日、軍の司令官らとの会議で「ロシア軍は前線の全域で敵の拠点を破壊し続けている。ウクライナ軍はいくつかの地点で持ちこたえようとしているものの、われわれの圧力に耐えかねて後退している」と述べ、ロシア軍が優勢な状況だと強調しました。

その上で「ことしに入ってからロシアは新たに547平方キロメートルの土地を掌握した」と戦果を誇示しました。