【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(4月29日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる29日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、およびロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ゼレンスキー大統領 支援が迅速に行われる必要性強調

ゼレンスキー大統領は28日のビデオ演説で「パートナーの国々から約束された物資をまだ待っている。戦場の状況をウクライナに有利に変えることができる量と内容の支援物資が届くことを期待している」と述べ最大の支援国アメリカを含めて約束された支援が迅速に行われる必要性を強調しました。

アメリカのバイデン政権は、先週、これまでで最大のウクライナへの追加の軍事支援を行うと発表し、前線で不足している砲弾や、防空システム「パトリオット」のミサイルなどが供与されるとしています。

一方、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は28日、東部ドネツク州のアウディーイウカ周辺の戦況についてウクライナ軍が現地に援軍を送っているなどとして「ロシア軍がこの地域で前線を大きく突破する可能性は当面低い」との見方を示しています。

ウクライナ 東部の前線で戦況悪化 一部で部隊が後退

ウクライナ軍のシルスキー総司令官は28日、SNSで、ロシア軍との戦闘の状況について説明しました。

それによりますと先週は前線の全域で激しい戦闘が続き、特に東部ドネツク州のアウディーイウカとマリインカの近郊がウクライナ軍にとって最も困難な状況になっているということです。

この地域では前線にいたウクライナ軍の部隊が西にある3つの集落に後退したということで、シルスキー総司令官は「敵は、これらの地域で一定の戦術的な成功を収めた」と認めました。

ただ、作戦に影響を与えるほど優位に立たれたわけではないとしています。

一方、ロシアの通信社は28日、大統領府のペスコフ報道官が「前線にいるウクライナ軍の間ではパニックが広がっている。この勢いを保つことが重要だ」と述べたと伝えました。

ウクライナに対してはアメリカのバイデン政権が先週、追加の軍事支援を発表していて、厳しい戦いを強いられているシルスキー総司令官はできるだけ早く兵器や軍事物資を得られるようパートナーの国々と協力していると強調しました。