食料安保の強化へ “農政の憲法”改正案 参院本会議で審議入り

ロシアによるウクライナ侵攻や気候変動などを背景に、食料安全保障の強化を盛り込んだ、“農政の憲法”とされる「食料・農業・農村基本法」の改正案が、26日の参議院本会議で審議入りしました。

「食料・農業・農村基本法」の改正案は、法律の基本理念に「食料安全保障の確保」を新たに加え
▽農産物や農業資材の安定的な輸入を図るほか
▽農業法人の経営基盤の強化やスマート技術を活用した生産性の向上などに取り組むことが盛り込まれています。

26日の参議院本会議では、改正案の趣旨説明のあと質疑が行われ、この中で岸田総理大臣は「今回の基本法の見直しは、世界的な需給変動や、環境問題、国内の急激な人口減少といった深刻な社会課題に正面から取り組み、地域の成長につなげていくべく、農政を再構築するものだ」と述べ、法改正の意義を強調しました。

この改正案をめぐっては、衆議院で自民・公明両党と日本維新の会による協議で国が、収穫量の多い品種の導入を促すことを盛り込む、修正が行われています。

今後、参議院の農林水産委員会で審議が行われる見通しで、政府としては今の通常国会での成立を目指す方針です。