【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(4月26日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる4月26日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、およびロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

米 ウクライナ軍事支援めぐり ロシア側からけん制する発言

ペスコフ報道官

アメリカ政府は24日、精密攻撃が可能とされる射程の長いミサイル、ATACMSをすでにウクライナに供与し、現地に届いたことを明らかにしました。

射程の短いATACMSは2023年に供与されていますが、アメリカのメディアは今回提供されたものは、最大射程が2倍近いおよそ300キロだと伝え、今後の戦況への影響が注目されています。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は25日「アメリカはより長い射程の兵器を送りこの紛争に直接関与している。これで特別軍事作戦の結果が根本的に変わることにはならない」と強調しました。

また、今回のアメリカの軍事支援には制裁によって凍結したロシアの資産をウクライナ支援に活用することを可能にする内容も盛り込まれています。

ロシア外務省のリャプコフ外務次官は国営のロシア通信に対し「外交関係のレベルを下げることは一つの選択肢だ」と述べ、ロシアの資産が使われた場合は対抗措置に乗り出す考えを示すなどけん制する発言が相次いでいます。

一方、ロシアと同盟関係にあるベラルーシのルカシェンコ大統領は25日、ウクライナや欧米側が挑発的な行為を続けていると主張しました。

そしてプーチン政権との間で合意されたベラルーシ国内へのロシアの戦術核兵器の配備について「すでに数十の最も近代的な核兵器がある」と述べ、核戦力の配備を強調し、欧米側をけん制しています。

ウクライナ 前線兵士不足で国外男性に帰国促す措置

ウクライナ政府は24日、前線の兵士不足に対応するため、国外に住む18歳から60歳までの男性に対し、在外公館でのパスポートの発給を停止すると発表しました。

ウクライナ国内でしかパスポートが発給されなくなるため、国外に長期間、滞在することが難しくなり、事実上、帰国を促す内容です。

発表に先立ちクレバ外相は23日、SNSに「国外にいるからといって自国に対する義務を免れるわけではない」と投稿し公平を期すための措置を講じたと強調していました。

ウクライナでは、5月18日に、軍の動員に関する改正法が施行されるなど動員逃れを防ぐ措置の強化が進められています。

ウクライナ エネルギー相 電力供給強化に向けた支援に期待

ウクライナでは3月以降、ロシア軍がエネルギー関連施設へのミサイル攻撃を一段と強めていて、大規模な停電がたびたび発生しています。

日本を訪れているウクライナのハルシチェンコ エネルギー相は25日、NHKとの単独インタビューで「ロシアの攻撃で火力発電所のおよそ80%が損害を受けた。ロシアは稼働しているすべての発電所を破壊しようとしている。電力や水などの供給が制限され、市民に直接の影響を与えている」と述べ、深刻な現状を訴えました。

そのうえで、アメリカで今週、ウクライナへの追加の軍事支援のための予算が成立し、防空用のミサイルなど新たな軍事支援が行われる見通しとなったことについて、「エネルギー関連施設を守る能力の強化につながることは確実だが、ウクライナは戦争の真っ最中で、時間が命だ。一刻も早く防空システムを強化しなければならない」と述べ、早期の供与を求めました。

また、ハルシチェンコ氏は、ウクライナとしては破壊された発電所の復旧に力を入れるとともに、重要施設への電力供給が滞ることがないよう発電設備の分散や電力輸入の拡大といった対策をとっていると強調しました。

そのうえで「いかに効果的に進められるかが、次の冬を乗り切れるのかを左右する。電力供給の能力を高めることが、停電を減らすことにつながり、極めて重要だ」と述べ、日本をはじめ各国からの電力供給の強化に向けた支援に期待を示しました。