【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(4月21日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる21日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、およびロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ゼレンスキー大統領「歴史を正しい方向に導く決断 感謝」

アメリカ議会下院がウクライナへの追加の軍事支援のための緊急予算案を可決したことについて、ウクライナのゼレンスキー大統領は20日、SNSにメッセージを投稿し「歴史を正しい方向に導く決断をしたアメリカ議会下院、両党、さらにジョンソン下院議長に感謝している。民主主義と自由は、アメリカがそれを守るための手助けをしてくれるかぎり世界にとって重要であり続け決してつまずくことはない」として謝意を示しました。

そのうえで「きょう可決された重要な支援の法案は、戦争の拡大を防ぎ、大勢の人の命を救い、そして両国がより強くなる助けとなる。法案が上院でも支持され、バイデン大統領のもとに送られるよう望んでいる。ありがとう、アメリカ!」と締めくくり、法案が成立し、ウクライナへのすみやかな支援につながることに期待を示しました。

ウクライナ市民からは歓迎の声

首都キーウでは、市民からも歓迎する声が聞かれました。

このうち19歳の大学生の男性は「家族や友人が戦争に行っている。この支援は直接、友人たちの助けになる」と話していました。

また、29歳の男性は「支援がもう少し早く届けばと思う。ロシアは市民を標的にミサイルで攻撃している。街は無防備なままで、多くの人が亡くなった。ただ、遅くてもないよりはよい。私たちが勝利するまで支援が止まらないことを願っている」と話していました。

米下院 ウクライナ支援の緊急予算案 超党派の賛成多数で可決

アメリカ議会下院は20日、ロシアによる侵攻が続くウクライナへの追加の軍事支援のための緊急予算案を超党派の賛成多数で可決しました。アメリカによる軍事支援は与野党の対立から滞っていますが、支援の再開に向け大きく前進しました。

アメリカ議会下院は20日、ウクライナへの追加の軍事支援のための緊急予算案の採決を行い、賛成311票、反対112票の賛成多数で可決しました。

予算案は、総額およそ608億ドル、日本円にしておよそ9兆4000億円となっていて、支援の一部は返済義務がある借款の形をとることになっています。

採決では、下院で多数派を占める野党・共和党のうち、支援に消極的な保守強硬派の議員を含むおよそ半数が反対しましたが、与党・民主党の議員のほとんどが賛成に回り、超党派での可決となりました。

ロシアによる侵攻が続くウクライナの最大の軍事支援国となってきたアメリカは、与野党の対立から追加の支援のための予算が承認されない状態が続いたため去年暮れ、資金が枯渇して以降、軍事支援が滞っています。

予算案の成立にはこのあと上院での可決とバイデン大統領の署名が必要ですが、支援の再開に向け大きく前進しました。

また、議会下院は、イスラエルへの支援におよそ263億ドル、台湾などインド太平洋地域におよそ81億ドルをそれぞれ充てる緊急予算案も可決しました。

バイデン大統領は声明を出し「世界におけるアメリカの指導力について明確なメッセージを送った」として歓迎し、議会上院に対しすみやかな可決を求めました。