【全結果 8日目】大橋悠依 松本信歩 松元克央 水沼尚輝が内定

競泳のパリオリンピックの代表選考を行う“一発勝負”の大会は24日が最終日。女子200メートル個人メドレーでは、東京オリンピック金メダリストの大橋悠依選手と、21歳の松本信歩選手が代表に内定しました。
男子100メートルバタフライでは松元克央選手水沼尚輝選手が代表内定です。
女子50メートル自由形では、池江璃花子選手が優勝しましたが、2種目目の内定はなりませんでした。

すべてのレース結果をお伝えしています。

NHKプラスで配信中↓↓↓(2024年3月31日まで)

★女子 200m 個人メドレー【決勝】大橋と松本が内定

女子200メートル個人メドレーの決勝では、400メートル個人メドレーで代表内定を獲得することができず「競技人生をかける」とレースに臨んだ大橋悠依選手が持ち味の伸びのある泳ぎで2泳法目の背泳ぎでトップに立つと、後半の平泳ぎ、最後の自由形でさらにスピードを上げて2分9秒17のタイムで優勝しました。

21歳の松本信歩選手は、第1泳法のバタフライでトップに立つなど、持ち味の先攻するレース展開で強さを見せ、2分9秒90のタイムで2位に入りました。

2人はともに派遣標準記録を突破してパリオリンピックの代表に内定しました。東京大会で200メートルと400メートルの個人メドレーで2冠という、日本の女子として初の快挙を成し遂げた大橋選手は2大会連続、松本選手は初めてのオリンピックの切符です。

大橋悠依「自分の力を全部出し切れた いいレース」

大橋悠依選手は「自分の今、持っている力を全部出し切れた、すごくいいレースができた。緊張していたので硬くなったかなと思うが、思っていたよりも速く泳げてよかった」と振り返りました。
そして、2大会連続の金メダル獲得がかかるパリオリンピックに向け「東京大会から、ぐっと世界のレベルが上がったので、ディフェンディングチャンピオンということは考えずに、自己ベストのタイムを出していくことで、1つでもいい順位に近づくと思う。しっかり決勝の舞台に行けるように準備したい」と意気込みを語りました。

松本信歩「目標にしてきたので うれしい」

松本信歩選手は「ずっと200メートル個人メドレーで代表権を取ることを目標に練習してきたので、派遣標準記録を初めて突破できてうれしい」と喜びを語りました。
そのうえで、パリオリンピックに向けては「代表権をとれてうれしいところではあるが、予選からしっかりタイムを出すということを私はできていない。これからそこについて考えていきたい」とパリの舞台を見据えていました。

【決勝 結果】派遣標準記録 2:10.70

▽1.大橋悠依 2:09.17 ★代表内定
▽2.松本信歩 2:09.90 ★代表内定
▽3.成田実生 2:10.39
▽4.石川真菜 2:13.19
▽5.長岡海涼 2:13.53
▽6.貝瀬結香 2:14.50
▽7.佐々木珠南 2:15.55
▽8.佐藤梨央 2:16.43

◇代表内定:大橋悠依(おおはし・ゆい)

大橋悠依選手は滋賀県出身の28歳。長い手足をいかした大きなストロークと、水の抵抗の少ない伸びのある泳ぎが特徴で、200メートルと400メートルの個人メドレーで日本記録を持っています。
東洋大学に入学後、北島康介さんなどを育てた平井伯昌コーチのもとで萩野公介さんらと練習を積み、記録を伸ばしてきました。そして、大学4年のときの2017年の日本選手権で、400メートル個人メドレーで初優勝し、この年の世界選手権でも200メートル個人メドレーで日本新記録で銀メダルを獲得して、一気に注目される存在となりました。
初出場となった東京オリンピックでは、1大会で2つの金メダル獲得という日本の女子として初めての快挙を成し遂げました。
その後は「頑張り疲れのような状態だった」と、競技に前向きになれなかった時期がありましたが、無観客だった東京オリンピックを経験し「観客の前で泳ぎたい」という思いをモチベーションの1つとして、再びオリンピックを目指しました。
パリオリンピックへ向けては、平井コーチの指導を離れて、入江陵介選手と同じチームで練習を重ね、持ち味のきれいなフォームに磨きをかけてきました。

◇代表内定:松本信歩(まつもと・しほ)

松本信歩選手は東京都出身の21歳の大学生です。個人メドレーを得意としていて、前半のバタフライや背泳ぎで先行するスタイルが持ち味です。5歳から水泳を始め、早稲田大に入学後、一気に力をつけ、大学日本一を決める日本学生選手権では、最も得意とする200メートル個人メドレーで、去年まで3連覇を果たしました。
現在は、リオデジャネイロオリンピックの日本代表、今井月選手など国内トップレベルの選手が集まるチームで練習を積んでいて「代表になるために必要なことが明確に見えてきた」と手応えを得ていました。
200メートル個人メドレーではラスト15メートルを課題としていましたが、最後のタッチまでスピードを落とさないことを意識して練習してきたということで、2月の国内大会では、自己ベストのタイムで大橋悠依選手と同着で優勝するなど、着実に実力を高めてきました。

【解説】“笑顔の大橋”と“涙の成田”

女子200メートル個人メドレーの決勝レース後、その表情は対照的でした。

“負ければ引退”と宣言して臨んだ、この種目の東京オリンピック金メダリストの大橋悠依選手が会心の泳ぎで優勝してオリンピックの切符をつかみ笑顔を見せた一方、2種目目の代表内定を目指した17歳の成田実生選手は競り負けて3位に終わり、涙が止まりませんでした。

大橋悠依 選手

28歳の大橋選手と17歳の成田選手、そして21歳の松本信歩選手と予想どおり、三つどもえの接戦となったこの種目。結果は、第2泳法の背泳ぎからトップに立ち、調子が上がっていたという平泳ぎで一気に突き放した大橋選手が2分9秒台の好タイムで優勝。最初の得意とするバタフライでレースの主導権を握った松本選手が2位となり、持ち味を発揮した2人が代表内定をつかみました。

パリオリンピックを競技人生の“集大成”と位置づける大橋選手は、“このレースで負ければ引退”と強い覚悟で臨み「全部を出し切った。やはりこういう舞台で泳げることはすごく幸せだと思ったし、長く水泳をできることもすごく幸せなことだ。自分の競技人生も終わりが近づいていて、このレースもどうなるか分からなかった中で自分の100%を出すということだけを考えて臨んだ」と会心のレースを終え笑顔で話しました。

それでも少しことばを詰まらせたのは、同じチームで練習する入江陵介選手など世界の第一線で一緒に戦ってきた仲間が代表を逃したことを問われたときでした。

大橋選手は「努力を間近で見てきた人が代表を逃していくのを目にしてすごく苦しかったし、自分もそうなるかもしれない立場だった。とにかく自分のできる全部を出そうと思って過ごした」と悔いを残さず泳ぎ切ったと振り返りました。

成田実生 選手

対照的だったのが、400メートル個人メドレーで大橋選手たちを破ってすでに代表に内定していた高校生の成田選手。得意の最後の自由形で伸びきれずに3位となり、目標としていた2種目目の代表内定を逃し、涙が止まりませんでした。

レース後、成田選手は「200メートルでも代表に入るという気持ちだったが、最後に競り負けたのがまだ足りないところだった。すごく悔しい気持ちだ」と話しました。
そして「大橋さんみたいに、200メートルも400メートルも、どちらも泳げる選手になりたい。まずはオリンピックの400メートル個人メドレーで、この悔しい気持ちを持って決勝に残り、世界のトップにいけるように頑張りたい」と決意を新たにしました。

競技人生をかけて臨んだ実力者が見せた笑顔と、若手の新鋭が流した悔し涙。それぞれの思いがパリの舞台でどう結実するのか、その泳ぎが楽しみです。

★男子 100m バタフライ【決勝】松元 水沼が内定

松元克央 選手

今回の大会は、東京 江東区の東京アクアティクスセンターで8日間の日程で行われ、大会最終日に行われた種目のうち、男子100メートルバタフライの決勝では、松元克央選手が前半から大きな体格とパワーを生かしたダイナミックな泳ぎで積極的にレースを進め、後半はさらにスピードに乗ってトップに立ち、50秒96のタイムで優勝しました。

水沼尚輝 選手

この種目の日本記録保持者の水沼尚輝選手は、持ち味のテンポのいい泳ぎで終始トップを争い、51秒23のタイムで2位に入りました。2人はともに派遣標準記録を突破してパリオリンピックの代表に内定しました。

内定喜ぶ 松元選手(左)水沼選手(右)

松元選手は200メートル自由形に続き、2種目目のパリの切符、水沼選手は2大会連続のオリンピックの切符です。

松元克央「最高のレースができた 最高の気分だ」

松元克央選手は「勝ちにこだわって自信を持って臨むことができ、自分の最高のレースができたと思う。タイムもついてきたしパリの切符も獲得できて、最高の気分だ」と振り返りました。
200メートル自由形に続き2種目目のパリの切符を手にし「どちらもメダル獲得ということを目標に掲げている。きついトレーニングで心が折れているようでは目標はかなわないと思うので、覚悟を決めて、夏に向けて、とことん練習を積みたい」と意気込んでいました。

水沼尚輝「これからは僕たちが日本の競泳を背負う」

水沼尚輝選手は「この大会に向けて、本当に山あり谷ありだったなと思い出された。緊張はあったが、ガクガクするような悪い緊張ではなく、今の自分だったらどれくらいのタイムが出せるんだろうというワクワクのほうが強かった。自分のパフォーマンスを発揮できたのは、多くの人のおかげだ」と話しました。
そのうえで「東京オリンピックでは準決勝敗退に終わったので、まずは決勝に足を踏み入れる準備と覚悟を持って戦いたい。これからは僕たちが日本の競泳を背負っていくと思うので、いい姿を後輩たちにも見せていきたい」と決意を語りました。

【決勝 結果】派遣標準記録 51.43

▽1.松元克央 50.96 ★代表内定
▽2.水沼尚輝 51.23 ★代表内定
▽3.寺門弦輝 51.33
▽4.川本武史 51.59
▽5.本多 灯 51.70
▽6.阪本祐也 52.15
▽7.安江貴哉 52.30
▽8.田中優弥 52.47

◇代表内定:水沼尚輝(みずぬま・なおき)

水沼尚輝選手は栃木県出身の27歳。母校・作新学院高校水泳部の2年先輩にリオデジャネイロオリンピックの金メダリスト、萩野公介さんがいます。
バタフライを専門としていて、100メートルでは50秒81の日本記録を持っています。東京を拠点とする選手が多い中「地方でも世界と戦えることを証明したい」と大学進学以来、新潟県で強化を続けてきました。
体幹の強さを生かしたテンポのいい泳ぎで、東京オリンピックに初出場して100メートルバタフライで準決勝まで進み、おととしの世界選手権では銀メダルを獲得しました。
しかし、その後腰痛を発症し、強みだった体幹を生かした泳ぎができなくなり、パリオリンピックに向けてはイルカをイメージしたという、体重移動を意識したうねりのような新たな泳ぎに取り組んできました。
そして「オリンピックの決勝で戦いたいという、強い気持ちを持っている」と、得意とする後半の追い込みを重点的に鍛えてきました。

★女子 50m 自由形【決勝】池江2種目目はならず

女子50メートル自由形の決勝では「全力で最後のレースを楽しむ」と今大会3種目目の決勝に臨んだ池江璃花子選手が、スタート直後の横並びの展開から中盤で頭1つ抜け出すと、伸びやかな泳ぎを見せて、24秒88のタイムで優勝しました。
しかし、派遣標準記録は突破できず100メートルバタフライに続く2種目目のパリオリンピック代表内定はなりませんでした。

池江璃花子「またいちからやり直すしかない」

女子50メートル自由形の決勝で優勝した池江璃花子選手は設定された派遣標準記録を突破できず、レース後はタオルで顔を覆って呼吸を整えてから報道陣が待つ取材エリアに姿を見せました。
池江選手は「派遣標準記録突破をねらっていたのですごく悔しい。今大会全体を振り返ってもいいレースは1つもなくて、こんなに頑張ってきたのに結果が出ないのはすごく悔しいし、パリが決まっても素直に喜んでいない自分もいる。すごくふがいない結果だ」と涙を流しながら話しました。
そのうえで「この数か月間は自分の競泳人生の中で、一番頑張ってきたと思えるぐらい頑張ってきたが、こんな結果で、とにかくまたいちからやり直すしかない」と話していました。
そしてパリオリンピックに向けて「復帰してからも結果を出せずに終わることが多く毎年、ことしこそはという強い気持ちを持ってやっているが、もっと自分に自信をつけていかないとトップには立てない。パリに向けてしっかりと強化していきたい」と前を向いていました。

【決勝 結果】派遣標準記録 24.55

▽1.池江璃花子 24.88
▽2.神野ゆめ 25.25
▽3.相馬あい 25.30
▽4.池本凪沙 25.42
▽5.溝口歩優 25.45
▽6.廣下菜月 25.54
▽7.山本茉由佳 25.58
▽8.高橋美紀 25.80

★女子 800m 自由形【決勝】小堀が優勝も内定ならず

女子800メートル自由形の決勝では、小堀倭加選手が8分26秒62のタイムで優勝しましたが、設定された派遣標準記録は切れず、この種目での代表内定はなりませんでした。

【決勝 結果】派遣標準記録 8:22.49

▽1.小堀倭加 8:26.62
▽2.梶本一花 8:26.96
▽3.難波実夢 8:28.28
▽4.蝦名愛梨 8:28.68
▽5.森山幸美 8:33.13
▽6.青木虹光 8:38.99
▽7.奥園心咲 8:43.02
▽8.高 遥香 8:49.99

★男子 1500m 自由形【決勝】今福が優勝も内定ならず

男子1500メートル自由形の決勝が行われ、16歳の今福和志選手が15分4秒36の高校新記録のタイムで優勝しましたが、設定された派遣標準記録は切れず、代表内定はなりませんでした。

【決勝 結果】派遣標準記録 14:56.31

▽1.今福和志 15:04.36(高校新)
▽2.尾崎健太 15:12.82
▽3.竹田渉瑚 15:17.04
▽4.田渕海斗 15:22.83
▽5.井本一輝 15:23.62
▽6.白戸亮太 15:25.29
▽7.平井彬嗣 15:29.04
▽8.橋本和賢 15:33.56

《8日目 最終日/スタートリスト》

★は代表内定がかかるレース

★18:33~男子 100m バタフライ【決勝】

◇世界記録 49.45
◇日本記録 50.81
★派遣標準記録 51.43


▽1.阪本祐也(富士防/大紀SC)
▽2.川本武史(TOYOTA)
▽3.寺門弦輝(セントラルスポーツ/日本大)
▽4.松元克央(ミツウロコ/三菱養和SS)
▽5.水沼尚輝(新潟医福大職)
▽6.本多 灯(イトマン東京/日本大)
▽7.田中優弥(スウィンSS/イナホスポーツ)
▽8.安江貴哉(新東工業東京)

★18:41~女子 200m 個人メドレー【決勝】

◇世界記録 2:06.12
◇日本記録 2:07.91
★派遣標準記録 2:10.70


▽1.佐藤梨央(東京SC/青山学院大)
▽2.松本信歩(東京ドームS/早稲田大)
▽3.成田実生(金町SC)
▽4.大橋悠依(イトマン東進)
▽5.石川真菜(イトマン港北)
▽6.長岡海涼(山形DC/東北高)
▽7.貝瀬結香(東京SC/戸山高)
▽8.佐々木珠南(ウイング八戸)

【準決勝 結果】派遣標準記録 2:10.70

▽1.大橋悠依 2:12.30
▽2.石川真菜 2:13.61
▽3.成田実生 2:13.75
▽4.長岡海涼 2:13.93
▽5.松本信歩 2:14.55
▽6.貝瀬結香 2:14.99
▽7.佐藤梨央 2:15.42
▽8.佐々木珠南 2:15.61

★18:53 女子 800m 自由形【決勝】

◇世界記録 8:04.79
◇日本記録 8:23.68
★派遣標準記録 8:22.49


▽1.奥園心咲(枚方SS/立命館宇治高)
▽2.梶本一花(枚方SS/同志社大)
▽3.森山幸美(山本光学)
▽4.小堀倭加(あいおいニッセイ/相模原市水協)
▽5.蝦名愛梨(日本体育大)
▽6.難波実夢(JSS/近畿大)
▽7.青木虹光(県央SS)
▽8.高遥香(とこはSS/城南静岡高)

★19:12~女子 50m 自由形【決勝】

◇世界記録 23.61
◇日本記録 24.21
★派遣標準記録 24.55


▽1.廣下菜月(中京大)
▽2.溝口歩優(セントラル藤沢/日大藤沢高)
▽3.相馬あい(ミキハウス)
▽4.池江璃花子(横浜ゴム/ルネサンス)
▽5.池本凪沙(イトマン東京/中央大)
▽6.山本茉由佳(ルネサンス)
▽7.神野ゆめ(中京大)
▽8.高橋美紀(林テレンプ)

★19:21~男子 1500m 自由形【決勝】

◇世界記録 14:31.02
◇日本記録 14:54.80
★派遣標準記録 14:56.31


▽1.井本一輝(イトマン東京/中央大)
▽2.尾崎健太(セントラルスポーツ)
▽3.田渕海斗(NECGSC溝の口/明治大)
▽4.竹田渉瑚(オーエンス)
▽5.平井彬嗣(郵船ロジ)
▽6.今福和志(枚方SS/四條畷学園高)
▽7.橋本和賢(神奈川大)
▽8.白戸亮太(サギヌマSCM/法政大)

《8日目 最終日の見どころ》

東京アクアティクスセンターで行われている、パリオリンピックの競泳の代表選考を行う大会は24日、最終日を迎え、あわせて5つの種目で決勝が行われます。

【女子200メートル個人メドレー】
▽東京オリンピックのこの種目の金メダリスト、大橋悠依選手が2大会連続のオリンピック出場をねらいます。
この種目が本命種目で400メートル個人メドレーでは4位に終わったものの、当初から200メートルに絞って強化を進めてきていて、気持ちを切り替えて2大会連続のオリンピックの切符をねらいます。
大橋選手は400メートル個人メドレーの決勝後「200メートルの仕様に切り替えて、死ぬ気で代表に入る。泳ぎ自体は悪くない。パリオリンピックの代表に入れなければ自分の水泳は終わりだと思うので、何としてでも代表入りを決められるように頑張りたい」と決意を語っています。

▽400メートル個人メドレーですでに代表に内定している17歳の成田実生選手。最も勢いがあります。
200メートル個人メドレーでも、去年の日本選手権で大橋選手や松本選手を破っていて「2種目で自己ベストのタイムで優勝して、しっかりオリンピックの代表になることが目標。いい笑顔で2種目の代表内定を決めたい」と意欲を見せています。

▽21歳の大学生、松本信歩選手も力をつけています。大橋選手と、2月の国内大会で同着で優勝し、ここまで代表内定はないものの、100メートルバタフライでは2位の池江璃花子選手とわずか0秒01差の3位に入り
、100メートル自由形でも4位となるなど好調をうかがわせています。
松本選手は「バタフライではオリンピック代表内定に届かなかったが自己ベストが出ているし、メインの200メートル個人メドレーに向けた準備はできている。いい流れが作れている」と手応えも口にしています。

「高校生」対「大学生」対「社会人」という三つどもえのこの勝負で、切符をつかめるのは最大2人。それぞれの思いを胸に最終日の戦いに臨みます。

【女子50メートル自由形】
100メートルバタフライで代表に内定している池江璃花子選手が2種目目の内定を目指します。

【男子100メートルバタフライ】
おととしの世界選手権の銀メダリスト水沼尚輝選手や、2種目目の内定を目指す松元克央選手などが出場します。

【豆知識】パリ五輪 代表選考方法は?“一発勝負”です

競泳のパリオリンピック代表はいわば“一発勝負”で決まります。
今回の代表選考会の決勝で日本水泳連盟が設けた派遣標準記録を突破したうえで、2位以内に入った選手が内定します。

この派遣標準記録は、オリンピックに出場した日本選手全員が決勝に進出し、複数のメダルを獲得することを目指して日本水泳連盟が設けた独自の基準で、今回は2017年以降のオリンピックと世界選手権の10位相当のタイムが設定されています。すべての種目で、世界水連が定めるオリンピックの参加基準よりも速いか同じタイムであるうえ、800メートル自由形は日本記録よりも速いタイムとなっています。また、4人で泳ぐリレーの種目についても、リレー用の派遣標準記録が設定されています。