「どこにいるんや」石川 輪島 安否不明の弟の捜索 見守る兄は

「兄弟であまりけんかはしませんでしたが、今回ばかりは『どこにいるんや』とどなってやりたいです」

石川県輪島市市ノ瀬町で、安否不明が続く2歳年下の弟の捜索を見守り続けてきた男性は、悔しそうに話していました。

能登半島地震から、2月5日で5週間。被災地では、いまも安否が分からない家族を待つ人がいます。

輪島市市ノ瀬町では、今回の地震で大規模な土砂災害が発生して複数の住宅が巻き込まれ、垣地英次さん(56)の安否がいまも分かっていません。

4日も各地から集まった警察官や消防隊員ら100人以上が、重機などを使って土砂をかき出し、捜索にあたっていました。

午後には、金沢市に住む兄の弘明さん(58)が現場を訪れ、捜索隊に感謝を伝えるとともに、これまでに見つかった英次さんの釣り道具などを持ち帰っていました。

弘明さんは、地区の避難所から毎日のように現場に通っていましたが、5日から仕事に復帰するということです。

弘明さんは「大勢の方の力を借りて捜索していただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。一日も早く見つかってくれることを願うだけです。兄弟であんまりけんかはしませんでしたが、今回ばかりは『どこにいるんや』とどなってやりたいです」と話していました。