新型コロナ患者数 6週連続増加傾向 “感染対策徹底を”厚労省

新型コロナウイルスの全国の感染状況は、12月31日までの1週間では1つの医療機関あたりの平均の患者数が5.79人で、前の週の1.27倍となっています。厚生労働省は「全国的に緩やかな増加傾向が続いている。引き続き、基本的な感染対策を徹底してほしい」としています。

1医療機関当たり5.79人 前週の1.27倍

厚生労働省によりますと、12月31日までの1週間に全国およそ5000の医療機関から報告された新型コロナの患者数は、前の週から5458人増えて2万7987人となりました。

また、1つの医療機関あたりの平均の患者数は5.79人で、前の週の1.27倍となりました。

前の週から増加が続くのは6週連続となります。

都道府県別では多い順に
▼北海道が12.28人
▼長野県が10.65人
▼愛知県が9.19人
▼岐阜県が9.15人
▼大分県が9.1人
などとなっていて、44の都道府県で前の週より増加しています。

石川県5.42人 前週より増加

能登半島地震の影響で、新型コロナの患者数を報告することになっている石川県の48の医療機関のうち、5か所からは報告がなかったということですが、石川県は5.42人で、前の週より増加しました。

また、12月31日までの1週間に、全国およそ500の医療機関から報告された新たに入院した患者の数は1942人で、前の週と比べて326人の増加でした。

厚生労働省は、全国の流行状況について「前の週に続いて全国的に緩やかな増加傾向となっている。手洗いや換気など引き続き対策を徹底してほしい」としています。

専門家「インフルピークと重なるおそれも 避難所で感染対策を」

感染症に詳しい東邦大学の舘田一博教授は新型コロナウイルスの感染状況について、「感染者の数は爆発的ではないが、去年の秋の終わり頃から緩やかな増加傾向が続き、入院患者も増えている。前回の感染拡大のピークが去年の9月頃だったことを考えると、免疫が低下してくる人が増え、これからさらに感染が広がりやすくなると考えられる。インフルエンザのピークと重なる可能性もあり、今後、どう推移するのか、医療体制の状況も含めて注意する必要がある」と述べました。

その上で、「高齢者や免疫不全の患者で、前回のワクチン接種から4か月以上たっている場合は重症化を防ぐため、できるだけ早くワクチンを接種してほしい。また、感染したかもしれないと感じた場合は、なるべく早く医療機関を受診し、検査や治療薬の処方を受けてほしい」と呼びかけました。

また、舘田教授は地震の被害があった地域での感染対策について、「避難所は狭いスペースに多くの人が密集し、冷え込むため換気もしづらい。さらに断水で使える水も限られ、十分な感染対策が難しいと考えられるが、マスクを使ったり、アルコールで消毒したりして、できる限りの対策を取ってほしい。また、感染者やその疑いがある人が出た場合に備えて、避難所に検査キットや治療薬を備えておくことも必要な支援ではないか」と話していました。

1医療機関当たりの平均患者数(都道府県別)
▼北海道12.28人▼長野県10.65人▼愛知県9.19人▼岐阜県9.15人▼大分県9.1人▼山梨県9.1人▼茨城県8.76人▼熊本県8.09人▼山口県7.37人▼福島県7.18人▼鳥取県7.0人▼香川県6.98人▼富山県6.54人▼徳島県6.49人▼岩手県6.27人▼新潟県6.16人▼広島県5.94人▼埼玉県5.92人▼三重県5.79人▼青森県5.75人▼佐賀県5.67人▼愛媛県5.67人▼高知県5.61人▼群馬県5.52人▼京都府5.51人▼千葉県5.48人▼栃木県5.45人▼静岡県5.45人▼岡山県5.44人▼石川県5.42人▼福岡県5.32人▼滋賀県5.08人▼宮崎県5.03人▼山形県4.86人▼長崎県4.83人▼秋田県4.71人▼和歌山県4.55人▼鹿児島県4.48人▼兵庫県4.38人▼福井県4.33人▼奈良県4.07人▼島根県3.87人▼宮城県3.85人▼東京都3.39人▼大阪府3.38人▼神奈川県3.11人▼沖縄県3.02人