空母「赤城」の船体 撮影に成功 水深5000m余の海底で

太平洋戦争の転換点とも言われるミッドウェー海戦で沈んだ旧日本海軍の航空母艦「赤城」について、アメリカの専門家を中心とした研究チームがこのほど、水深5000メートル余りの海底で船体を映像で捉えることに成功しました。

これは、NOAA=アメリカ海洋大気局が支援する国際的な研究チームが15日、発表しました。

研究チームには、日本の専門家も参加していて、今月8日から12日にかけてハワイに近いミッドウェーの海域で潜水艇を使って調査を行ったところ、水深5100メートル余りの海底に沈んだ航空母艦「赤城」の船体を映像で捉えることに成功しました。

映像には、船首部分の菊の御紋がはっきりと映っているほか、海底に横たわるいかりや、船体に備え付けられた機銃や砲塔なども映っています。

「赤城」は2019年に沈没している位置は特定されていましたが、研究チームによりますと、映像で捉えたのは初めてだということです。

昭和17年6月のミッドウェー海戦は、旧日本海軍が、「赤城」をはじめとした空母4隻を失う壊滅的な打撃を受けて航空戦力の優位を失い、戦況の転換点の1つになったとも言われています。

今回の調査では、同じ海戦で沈没した空母「加賀」とアメリカ海軍の空母「ヨークタウン」の船体についても、これまでにない鮮明な映像で捉えることができました。

声明の中で、首都ワシントンにある日本大使館は「太平洋で戦火を交えた日本とアメリカが、いまは同盟国として、同じ海で手を携えている。今回の調査は、今日(こんにち)の平和は戦争による犠牲の上に成り立っていることを改めて想起させるもので、互いに協力を深めていることには意義がある」とコメントしました。