国際

プーチン大統領 プリゴジン氏に哀悼の意 事実上死亡を認める

ロシアのプーチン大統領は、ロシア北西部で墜落した自家用ジェット機に民間軍事会社ワグネルの代表、プリゴジン氏が搭乗していたとしたうえで「才能のある人物だった」などと哀悼の意を表しました。
プリゴジン氏の死亡を事実上認めた形ですが、プーチン政権側がプリゴジン氏の殺害に踏み切ったとする疑いも指摘されています。

ロシア非常事態省は23日、首都モスクワからサンクトペテルブルクに向かっていた自家用ジェット機が北西部のトベリ州で墜落したと発表し、搭乗者のリストなどから民間軍事会社ワグネルの代表、プリゴジン氏が乗っていた可能性が指摘されていました。

これについて、ロシアのプーチン大統領は24日、ウクライナ東部ドネツク州の親ロシア派の代表、プシリン氏との会談のなかで「犠牲者の家族に哀悼の意を表したい。ワグネルのメンバーが搭乗していたことを示している。ウクライナのネオナチ政権と戦うという共通の大義に多大な貢献をしてくれた」と述べました。

そのうえで「プリゴジン氏のことは1990年代初めからよく知っている。複雑な運命を背負った男だ。人生で重大な過ちを犯したが、私の求めには必要な結果も達成した。才能のある人物だった。彼はきのう、アフリカから戻ったばかりでここで何人かの関係者と会っていた」などと述べ、プリゴジン氏の死亡を事実上、認めました。

そして機体が墜落した原因について調査が行われているとしたうえで「時間がかかるだろう」と述べました。

一方、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」はことし6月に武装反乱を起こしたプリゴジン氏が政権側によって暗殺された可能性があるという見方を示し「組織としてのワグネルを排除するための最終的なステップだった可能性が高い」としています。

ロシアの独立系メディアは、対空ミサイルで機体が撃墜された可能性などを指摘しています。

アメリカ国防総省のライダー報道官は24日、初期段階の分析だとしたうえで、プリゴジン氏は墜落した航空機に搭乗しており、死亡したとの見方を示しました。
そのうえで、一部のメディアが対空ミサイルで機体が撃墜された可能性を指摘していることについて「その情報は不正確だと考えている」と述べ、根拠は明らかにしなかったものの墜落の原因は別にあるとの見方を示しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、記者団に対し「誰が関係したかは、皆がわかっていることだ」と述べ、プーチン政権側が関与したものだという見方を示しました。

墜落にモスクワ市民は…

プリゴジン氏が搭乗していたとする自家用ジェット機が墜落したことについて、ロシアの首都モスクワの市民からは、墜落の原因には政治的な背景があるのではないかとする意見が多く聞かれました。

このうち男性の1人は「事故ではない可能性は十分ある。『公式路線』に逆らったのではないか」と話していたほか、女性の1人も「プリゴジン氏は政治的な発言などもっと控えるべきだった。内部の破壊工作があったようです」と見解を述べていました。

SNSでニュースを知ったという男性は「彼が許されないのは明らかだった。モスクワに向かったことだ」と述べ、2か月前にプリゴジン氏が起こした武装反乱が背景にあるという見方を示しました。

一方、航空関係の大学を卒業したという男性は「墜落にはあらゆる選択肢がある。調査結果を待つべきだ」と指摘したうえで、ワグネルについては「活動資金がなくなれば戦えない」と述べ、資金提供者のプリゴジン氏が死亡したとすれば、ワグネルが解散に追い込まれる可能性もあると指摘しました。

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