【詳しく】なでしこジャパン ベスト8進出 2大会ぶり 女子W杯

それでも後半5分に、清水梨紗選手がペナルティーエリアの中でボールを奪うと落ち着いて決めて再び勝ち越しました。

さらに相手が前がかりになった36分にはカウンターからディフェンスの背後に抜け出した宮澤ひなた選手が今大会5得点目となるゴールを決めて試合を決定づけました。

日本は3対1で勝って準優勝した2015年以来、2大会ぶりのベスト8進出を決め、今月11日にニュージーランドのオークランドで行われる準々決勝に臨みます。

6日の決勝トーナメント1回戦では、3連覇をねらう世界1位のアメリカと世界3位のスウェーデンが対戦する予定で、日本はこの試合の勝者と対戦します。

次の準々決勝は11日（金）、日本時間の午後4時半から行われ、NHKは総合テレビで中継し、NHKプラスでも配信します。

宮澤選手は今大会、1次リーグでのザンビア戦とスペイン戦でそれぞれ2点ずつをあげて得点ランキングのトップに並んでいました。今大会5点目をマークしたのはノルウェー戦の後半36分でカウンターからディフェンスの背後に抜け出して味方のパスを受けるとゴールキーパーと1対1の状況で落ち着いて決めました。

宮澤選手はワールドカップ通算のゴール数でも歴代の日本選手で3位となっていて大会の得点ランキングでも単独トップに立っています。

試合を決定づける3点目を決めた宮澤ひなた選手は「厳しい時間が続いていた中で、うまく抜け出せて冷静に流し込めたと思う」と振り返りました。これで今大会5得点目となり大会の得点ランキングトップを走ることについては「まさかここまで点が取れるとは想像していなかったし、本当にみんなのおかげで取れている。これからもっと厳しい戦いがあると思うので、しっかり得点だったりアシストだったりチャンスメイクの部分でもチームに貢献できれば」と話していました。

「なでしこジャパン」の池田太監督は「きょうのゲームは本当にタフなゲームを予想していた。選手たちにはノックアウトステージのしびれる試合だが自分たちの持っているものをどんどん出してアグレッシブに戦おうと話をしていた。ノルウェーも自分たちの強みを生かしてくる場面もあったが、選手全員がハードワークをしてくれた。最初に攻めの糸口を見つけられないこともあったが、後半いろんな修正をして、追加点を奪えて勝利につなげられてよかった」と話していました。

ディフェンダーの清水梨紗選手は前回2019年の大会で敗れた決勝トーナメント1回戦を突破したことについて「まだこれからだが、1つ壁を破れた。次に向かうが、きょうはいい勝利だったと思う」と喜びを語り、自身のゴールのシーンについて「前半からいいボールがたくさん来ていたので、いつか自分のところに来ると思って走っていた。落ち着いて打とうと思っていたので、うまくゴールに入ってくれてよかった」と振り返りました。そして「きょうも同点になったときに誰もネガティブになっていなかった。本当にいい雰囲気で、全員が同じ方向を向いているので、どんどん勝ち上がっていきたい」と次の試合を見据えていました。

試合終盤に相手の決定的なチャンスを防ぐ好セーブを見せたゴールキーパーの山下杏也加選手は「身長の高い選手が相手にそろっている中で、試合終盤にああいう形でクロスボールを放り込んでくることは予想ができていたのでしっかり準備ができた」と振り返りました。その上で、準々決勝に向けては「今までやってきたことを継続していけば、きっといい結果はついてくると思うし、次の試合は中5日なのできょうの課題を修正できるとポジティブに考えていい準備をしたい」と意気込んでいました。

ミッドフィルダーの遠藤純選手は「厳しい戦いだったが、しっかり勝ち切れて次につなげられたのですごくよかった。失点のあとチーム全体で気を引き締めて勝ちに向かっていけたのは、すごくいい戦いができたと思う」と振り返りました。その上で「きょう勝てたことは、ほっとしているが負けたら終わりの厳しい戦いが続くので気を引き締めて頑張りたい」と準々決勝を見すえていました。

前回のスペイン戦の先発メンバーから3人が変更となりました。長谷川唯選手、藤野あおば選手、田中美南選手の3人です。

【GK】1.山下杏也加
【DF】2.清水梨紗/3.南萌華/4.熊谷紗希/12.高橋はな
【MF】7.宮澤ひなた/10.長野風花/13.遠藤純/14.長谷川唯/15.藤野あおば
【FW】11.田中美南

日本は藤野選手のコーナーキックにフォワードの田中選手が頭で合わせましたが、相手選手に阻まれ、ゴールはなりませんでした。

ミッドフィルダーの宮澤選手のクロスボールに相手のミッドフィルダーが足で触れましたが、ボールはそのままゴールに吸い込まれ、オウンゴールで日本が先制しました。

ノルウェーはゴールキックからのボールを前線に運び、右サイドを抜け出して日本のゴール前にクロスを上げると、ミッドフィルダーの選手が頭で合わせ、同点ゴールを決めました。
日本は今大会初めての失点です。

日本は、清水選手がペナルティーエリア内からのシュートを決めて2点目をあげ、再びリードしました。

日本の2点目は、相手がゴール前でクリアミスしたボールを右サイドから上がっていたディフェンダーの清水選手がシュートし、ゴールを決めました。清水選手は今大会初得点です。

日本は中央でパスを受けた宮澤選手が3点目となるシュートを決め、突き放しました。

日本の3点目は、前のスペイン戦でも威力を発揮したカウンター攻撃からでした。藤野選手からのパスをペナルティーエリアの手前で受けた宮澤選手が左足でシュートを打ち、ゴール右側に決めました。宮澤選手は今大会5ゴール目で得点ランキングトップに立っています。

日本はノルウェーに3対1で勝って2大会ぶりにベスト8進出を決めました。ベスト4進出をかけた準々決勝はアメリカとスウェーデンの勝者と戦います。

この試合でも得点を挙げた宮澤ひなた選手の地元、神奈川県南足柄市ではパブリック・ビューイングが行われ、キックオフのおよそ30分前から家族や地元の人たちおよそ60人が集まりました。試合前に宮澤選手の兄の佳汰さんは「ひなたと、やりとりしていても調子のよさがうかがえますし、ここまで来たら優勝目指して頑張ってほしい」と話していました。

そして、日本が2対1でリードして迎えた後半36分に宮澤選手が追加点となるゴールを決めると会場では歓声があがり「ひなた」コールが起こっていました。

母親の貴代さんは「点を取る予感がしていましたがゴールを決めて勝つことができてうれしい」と話していました。