台風6号 沖縄本島地方で猛烈な風 暴風・高波・高潮に厳重警戒

大型で非常に強い台風6号の影響で、沖縄本島地方では50メートルを超える最大瞬間風速が観測されています。

台風は非常に強い勢力のまま2日から3日にかけて沖縄地方にかなり接近し、沖縄本島地方や宮古島地方では猛烈な風が吹いて海上は猛烈にしける見込みで、暴風や高波、高潮に厳重な警戒が必要です。

気象庁によりますと、大型で非常に強い台風6号は、2日午前4時には、那覇市の南南西およそ90キロの海上を1時間に10キロの速さで西北西へ進んでいるとみられます。

中心の気圧は930ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は50メートル、最大瞬間風速は70メートルで、中心の東側280キロ以内と西側220キロ以内では風速25メートル以上の暴風となっています。

この時間、沖縄本島地方に最も接近し、沖縄本島地方の全域と宮古島の一部が台風の暴風域に入って猛烈な風が吹いていて、
▽南城市で2日午前1時55分に50.6メートル
▽那覇市で2日午前2時21分に48.5メートルの最大瞬間風速を観測しました。

また、台風周辺の発達した雨雲がかかり、那覇空港では午前3時半までの1時間に33ミリの強い雨を観測しました。

沖縄本島南部の糸満市、豊見城市、那覇市、南城市、八重瀬町では土砂災害の危険性が非常に高まり「土砂災害警戒情報」が発表されています。

台風は今後も非常に強い勢力を保ったまま西寄りに進み、先島諸島には2日夜のはじめ頃から3日昼前にかけて最も近づく見込みです。

【最大風速】
2日に予想される最大風速は、
▽沖縄本島地方で45メートル
▽宮古島地方で30メートル
▽石垣島地方で25メートル
▽与那国島地方で23メートル
▽大東島地方で20メートル、
最大瞬間風速は、
▽沖縄本島地方で65メートル
▽宮古島地方で45メートル
▽石垣島地方と与那国島地方で35メートル
▽大東島地方で30メートルです。

特に沖縄本島地方では、一部の住宅が倒壊するおそれもある猛烈な風が吹く所があるほか、宮古島地方でも、2日は走行中のトラックが横転するおそれもある猛烈な風が吹く所がある見込みです。

【波の高さ】
沖縄地方の海上はうねりを伴って波が高く、2日の波の高さは、
▽沖縄本島地方で12メートル
▽宮古島地方で10メートル
▽石垣島地方で9メートルの猛烈なしけ、
▽大東島地方で8メートル
▽与那国島地方で7メートルの大しけと予想されています。

【雨の予想】
台風周辺の発達した雨雲の影響で、沖縄本島地方と宮古島地方では2日、多いところで1時間に50ミリの非常に激しい雨が降る見込みで、3日にかけて警報級の大雨となるおそれがあります。

3日午前0時までの24時間に降る雨の量は、いずれも多いところで、
▽沖縄本島地方で200ミリ
▽宮古島地方で150ミリと予想されています。

さらに台風の接近と大潮の時期が重なるため、沖縄地方では今月6日ごろにかけて潮位が高くなり、2日は沖縄本島地方と宮古島地方では警報級の高潮になる見込みです。

台風は東シナ海で速度が遅くなるため、4日以降まで沖縄地方では大荒れとなり影響が長引くおそれがあります。

気象台は、暴風や高波、それに高潮による浸水や冠水に厳重に警戒するとともに、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒するよう呼びかけています。

沖縄本島地方 先島諸島 警報級の高潮発生のおそれ

台風の接近と大潮の時期が重なるため、沖縄地方では今月6日ごろにかけて潮位が高くなり、沖縄本島地方では2日にかけて、また先島諸島では2日、警報級の高潮になる見込みです。

特に台風の接近と満潮の時刻が重なる場合には海岸や河口付近で浸水に厳重な警戒が必要です。

沖縄県では過去にも台風の接近時に高潮による被害が起きていて、2012年9月の「台風16号」では、沖縄本島北部の東村で海水が堤防を乗り越えて集落に流れ込み、住宅の床上や床下が水につかったほか、名護市辺野古や那覇市鏡原町では川の水があふれて住宅が浸水する被害が出ました。

このとき、那覇市では統計を取り始めてから最高の潮位を観測し、台風の通過と満潮の時間帯が重なりました。

沖縄県内の満潮の時刻は、
▽沖縄市の中城湾港で2日午前6時27分、午後8時ちょうど、
▽先島諸島の宮古島が2日午前7時8分、午後8時37分となっています。

海岸や河口付近には近づかず、気象庁が発表する高潮警報などを確認して早めに安全な場所への避難を心がけてください。

また、潮位が堤防を越えていなくても高波による被害のおそれもあることから、厳重に警戒してください。

最大瞬間風速は65mに達する見込み その危険性は

気象庁によりますと大型で非常に強い台風6号は勢力を維持したまま沖縄地方に接近する見込みで、中心付近の最大瞬間風速は65メートルに達すると予想されています。

専門家で作る日本風工学会によりますと、瞬間風速60メートルは時速に換算すると216キロに相当し、屋外の行動は極めて危険です。

木造住宅の一部は倒壊し、鉄骨の建物でも変形するおそれがあるほか、電柱やブロック塀が倒れたり走行中のトラックが横転したりすることがあるということです。

2015年の台風15号では沖縄の石垣島で71メートルの最大瞬間風速を観測し、車が飛ばされたり電柱が倒れたりする被害が相次ぎ、内閣府のまとめでは沖縄県で10人がけがをしました。

また、大阪の関西空港で58.1メートルの最大瞬間風速を観測した2018年の台風21号では、タンカーが強風で流されて関西空港の連絡橋に衝突したり、大阪市内でトラックが横転する衝突する被害が出ました。

このほか千葉県などで停電や住宅の被害が相次ぎ、市原市でゴルフ練習場の鉄塔が倒壊した2019年の台風15号では、千葉市で最大瞬間風速が57.5メートルに達しました。

沖縄県や鹿児島県の奄美地方では台風の影響が長引くおそれがあり、風が強まる前に頑丈な建物に移動して外出を控え、屋内では窓から離れるようにしてください。

沖縄・九州 警報級の可能性ある時間帯(1日午前11時時点)

台風が接近している沖縄や九州で警報級の可能性がある時間帯は、1日午前11時の時点で次のとおりです。

沖縄地方で警報級の可能性が高いのは
▽暴風が3日にかけて、
▽波浪が今月5日かけて、
▽高潮が2日にかけて、
▽大雨が1日夜から2日にかけてで、
その後も6日にかけて警報級の可能性があります。

奄美地方では、
▽暴風が2日にかけて警報級の可能性が高く、3日と5日、6日は警報級の可能性があります。
▽波浪は5日かけて警報級の可能性が高く、6日は警報級の可能性があります。
▽大雨は、3日にかけて警報級の可能性があります。

九州南部では、
▽波浪が1日夜から2日にかけて警報級の可能性が高く、その後も6日にかけて警報級の可能性があります。
▽また、大雨は3日にかけて警報級の可能性があります。

九州北部で警報級の可能性があるのは
▽波浪が3日にかけてと、5日と6日、
▽高潮は3日、
▽大雨は2日となっています。

今回の台風は沖縄地方に接近したあと東シナ海で動きが遅くなる見込みで影響が長引くおそれがあります。

今後の台風の進路などに注意してください。