台風6号 沖縄地方や奄美地方で影響長引くおそれ 厳重警戒を

大型で非常に強い台風6号は、沖縄本島地方の一部や宮古島地方、八重山地方を暴風域に巻き込みながら西寄りに進んでいて、沖縄本島地方では非常に強い風が吹き、猛烈なしけとなっています。

台風は4日以降、東シナ海を強い勢力で東に進む見込みで、沖縄地方や奄美地方では台風の影響が長引くおそれがあり、暴風や高波、高潮、それに土砂災害に引き続き厳重に警戒してください。

気象庁によりますと、大型で非常に強い台風6号は2日午後11時には、久米島の140キロの海上をゆっくりとした速さで西へ進んでいるとみられます。

中心の気圧は935ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は45メートル、最大瞬間風速は65メートルで、中心から半径220キロ以内では風速25メートル以上の暴風が吹いています。

この時間、沖縄本島地方の一部や宮古島地方の全域、八重山地方の一部が暴風域に入っています。

沖縄地方では非常に強い風が吹いていて、
▽久米島空港で午後9時半に43.2メートル、
▽宮古島市平良で午後10時46分に34.8メートル、
▽石垣島伊原間で午後10時36分に33.4メートルの最大瞬間風速を観測しました。

沖縄本島地方や先島諸島には台風を取り巻く発達した雨雲がかかっていて、これまでの雨で沖縄県では土砂災害の危険性が非常に高まり、「土砂災害警戒情報」が発表されている地域があります。

今後の見通し

台風は非常に強い勢力を保ったまま、3日にかけて西北西へ進み、4日以降は日本の東の高気圧の張り出しが弱まるため、東シナ海を強い勢力で東に進む見込みで、沖縄地方や奄美地方では荒れた天気が続き、台風の影響が長引くおそれがあります。

【最大風速】
3日の最大風速は
▽沖縄地方で30ートル、
▽奄美地方で20メートルで
最大瞬間風速は
▽沖縄地方で45メートル、
▽奄美地方で30メートルと予想されています。

【波の高さ】
沖縄・奄美の海上はうねりを伴って波が高く、3日、▽沖縄地方で11メートルと猛烈にしけるほか、▽奄美地方で6メートルの見込みです。

【雨の予想】
沖縄地方と奄美地方では雷を伴って非常に激しい雨が降り、4日午前0時までの24時間に降る雨の量は、いずれも多いところで、▽沖縄地方で200ミリ、▽奄美地方で100ミリと予想されています。

沖縄地方と奄美地方ではその後も雨量は増える見込みです。

沖縄・奄美 潮位の高い状態続くおそれ

沖縄・奄美では台風の接近と大潮の時期が重なるため、潮位が高くなるところがある見込みです。

気象庁は沖縄地方では暴風や高波、高潮、土砂災害に厳重に警戒するとともに、低い土地の浸水や川の増水、氾濫にも警戒するよう呼びかけています。

最新の情報を確認し、台風の暴風域にある場合には頑丈な建物の中にとどまり、安全を確保するようにしてください。

警戒が必要な時間帯(2日午前11時時点)

台風が接近している沖縄をはじめ、九州や四国で警戒が必要な時間帯は、2日午前11時の時点で次のとおりです。

沖縄地方では、
▽暴風が4日にかけて警報級の可能性が高く、その後も7日にかけて警報級の可能性があります。
▽波浪は6日にかけて警報級の可能性が高く、翌7日は警報級の可能性があります。
▽高潮は3日にかけて警報級の可能性が高く、その後も6日にかけて警報級の可能性があります。
▽大雨は3日の明け方にかけて警報級の可能性が高く、その後も7日にかけて警報級の可能性があります。

奄美地方では、
▽暴風が2日夕方にかけて警報級の可能性が高く、その後は3日の明け方にかけてと、5日から7日にかけて警報級の可能性があります。
▽波浪は6日にかけて警報級の可能性が高く、翌7日は警報級の可能性があります。
▽大雨は3日にかけてと、5日から7日にかけて警報級の可能性があります。
▽高潮は3日にかけてと、5日に警報級の可能性があります。

九州南部では、
▽大雨が3日にかけて警報級の可能性が高く、その後も6日から7日にかけて警報級の可能性があります。
▽波浪は3日の明け方にかけてと、5日から7日にかけて警報級の可能性があります。
▽暴風は6日から7日にかけて警報級の可能性があります。

九州北部で警報級の可能性があるのは、
▽高潮が3日朝から夜遅くにかけて、
▽波浪が6日から7日にかけてです。

四国で警報級の可能性があるのは、
▽波浪が6日から7日にかけてとなっています。

今回の台風は動きが遅いため、沖縄地方を中心に影響が長引くおそれがあります。今後の台風の進路などに注意してください。

なぜ定まらない 台風の進路

台風6号は東シナ海に抜けたあと一時停滞し、今度は東寄りに進むとみられていますが、予報円が大きく進路が定まっていません。

その原因が太平洋高気圧です。

気象庁によりますと、台風は高気圧の縁をまわる風に流され移動します。

これまで日本付近に太平洋高気圧が大きく張り出していたため、台風は高気圧の南側の縁を西に進んでいました。

ところが、この高気圧が東シナ海付近で2つに分離し、台風の両脇を挟み込むような配置になる見込みです。

それぞれの高気圧からどの程度影響を受けるか予想が難しく、これが台風の進路が定まらない原因になっているということです。

台風の動きは上空を西から東に吹く偏西風に左右されることもありますが、今回、偏西風は台風から遠く離れていて、影響はほとんどないとみられています。

今のところ、台風は東シナ海で東寄りに進路を切り替え、再び沖縄・奄美に接近する予想となっていますが、今後、変わる可能性もあるということで、気象庁は最新の台風の情報に注意してほしいとしています。