プーチン大統領が侵攻継続姿勢を強調 侵攻後初の年次教書演説
ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ侵攻を開始して以降初めて行った年次教書演説で、軍事侵攻を改めて正当化したうえで「ロシアを打ち負かすことは不可能だ」と述べ侵攻を続ける姿勢を強調しました。
さらに、アメリカとの核軍縮条約の履行を一時的に停止すると一方的に主張し、アメリカを強くけん制しました。
ロシアのプーチン大統領は、日本時間の今夜6時ごろからモスクワ中心部のクレムリン近くの建物で年次教書演説を行いました。
このなかで、プーチン大統領は、「ウクライナのネオナチ政権からの脅威を排除するため特別軍事作戦を一歩一歩、慎重に進め、直面している課題を着実に解決していく」と述べました。
そして「西側諸国がウクライナを使って戦争の準備をしていた。私たちはそれを止めようとした」と述べウクライナ侵攻を改めて正当化したうえで「彼らは、戦場でロシアを打ち負かすことは不可能だと理解すべきだ」と述べ、侵攻を続ける姿勢を強調しました。
プーチン大統領は、欧米側を軍事的にけん制する発言も繰り返し「ロシアの核抑止力は91%以上で最新の兵器を装備している」と述べ、核戦力で威嚇しました。
そしてアメリカとの核軍縮条約「新START」について「条約への参加を停止していることを発表せざるを得なくなった。脱退はしない」と述べ、核軍縮条約の履行について一時的に停止すると一方的に主張しました。
さらにアメリカが新たな核兵器の実験を検討していると主張した上で、「ロシア国防省は準備しなければならない。アメリカが実験を実施すれば、われわれも行う」と述べ、アメリカを強くけん制しました。
また、プーチン大統領は、欧米側が制裁を強化してもロシアの経済と統治システムは欧米側が信じているよりもはるかに強力だと強調しました。
ロシア大統領選挙は来年予定どおり実施されるとも明言し、軍事侵攻が続くなか国民に結束を呼びかけました。
年次教書演説は、大統領が年に1度、議会や政府の代表を前に内政や外交の基本方針を示すものです。去年は、軍事侵攻を続ける中で延期されたことから今回は侵攻を開始して以降初めてで、プーチン大統領はおよそ1時間45分にわたり演説を続けました。
《プーチン大統領の発言の概要は以下にまとめています》
ウクライナの現状は【NHK特設サイト】
《プーチン大統領発言概要》
「ウクライナは西側諸国に隷属し戦争準備」
そのうえで「ロシアは平和的な手段でウクライナの危機を解決するためあらゆることをしたが、その裏では完全に異なるシナリオが準備されていた。ウクライナは西側諸国に隷属し戦争の準備をしていた。私たちはそれを止めようとした」と述べウクライナ侵攻を改めて正当化しました。
「この演説をロシアにとって困難な時に行っている」
軍事侵攻継続する姿勢を強調
“軍事作戦参加者も招待”
前回の演説は1時間超
“西側諸国がしかけた戦い何も達成されず”欧米側をけん制
自国の核戦力を誇示
来年の大統領選実施を明言
アメリカとの核軍縮条約「参加を一時停止」
このあと演説は日本時間の午後8時前に終了しました。