【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(8月14日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる14日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

米ワシントン・ポストの報道「ウクライナ軍の兵器が不足」

アメリカの有力紙、ワシントン・ポストは12日、ウクライナ軍当局者の話として、「反撃に十分な数の兵器がそろっていない」として、ウクライナ軍の兵器が不足しているという訴えを伝えています。
また、ウクライナ側の分析として、ロシア軍が反撃に対応するため南部に部隊を移動させていて、「先週だけでおよそ3000人のロシア兵がヘルソン州に到着し、州内を流れるドニプロ川の対岸には少なくとも1万5000人のロシア兵がいる」とする見方を伝えています。

ウクライナ軍の総司令官 米軍制服組トップと電話会談

ウクライナ軍のザルジニー総司令官は13日、SNSでアメリカ軍の制服組トップ、ミリー統合参謀本部議長と電話で会談したことを明らかにし「侵攻したロシア軍の部隊の5分の1を破壊した」と、戦果を説明したということです。
一方で、「ロシア軍は1300キロにわたる最前線で攻撃を行っている。ウクライナ側は砲撃の支援を緊急に必要としていることを強調した」としていて、アメリカなどにさらなる軍事支援の必要性を訴えたとしています。

ゼレンスキー 原発めぐるロシア兵「特別な標的」

ウクライナ南東部にあるヨーロッパ最大規模のザポリージャ原子力発電所について、ゼレンスキー大統領は13日、新たに公開した映像で「ロシア軍は原発に隠れて近隣の町を攻撃するとともに、原発の敷地内への砲撃で挑発を繰り返している」と述べ、ロシア側を非難しました。

そのうえで「原発に向かって撃ったり、原発から撃ったりするロシア兵は、われわれの特別な標的となっていることを理解すべきだ」と述べ、ザポリージャ原発を掌握しているロシア軍を強くけん制しました。

ザポリージャ原発では、今月5日から砲撃が相次ぎ、ウクライナ・ロシア双方が「相手の攻撃だ」と主張しています。

ウクライナ外貨建て国債「部分的なデフォルト」

ウクライナ政府は先月、ロシアによる軍事侵攻を受けて国防支出を優先するための外貨保全策として、外貨建ての国債の元利払いについて2年間延期することを債権者に要請し、今月10日、条件を変更することで合意したと発表していました。

これを受けて、大手格付け会社「S&Pグローバル・レーティング」は12日、ウクライナが発行する外貨建ての国債の信用度を示す格付けを引き下げ、部分的なデフォルト=債務不履行に陥ったと認定しました。

ゼレンスキー 総動員令など延長の法案提出

ウクライナのゼレンスキー大統領は12日、ロシアによる軍事侵攻を受けて出している戒厳令と総動員令について、今月23日に期限を迎えるのを前に、ことし11月下旬まで延長する法案を、議会にあたる「最高会議」に提出しました。

法案が可決されれば、防衛態勢の強化のために行われている、18歳から60歳の男性の出国制限が今後も続くことになり、ウクライナとしては、ロシアとの長期戦に備える構えです。

ロシア“東部でハイマース破壊”と主張 ウクライナは南部で反撃

ロシア国防省は13日、ウクライナ東部のドネツク州でウクライナ側の拠点を攻撃したと発表し、アメリカから供与された高機動ロケット砲システム=ハイマースの発射装置と弾薬庫を破壊したと主張しました。

これに対し、ウクライナ軍は、ロシア軍に掌握された地域の奪還を目指して、南部へルソン州で反撃を続けています。

地元メディアによりますと、ウクライナ軍の高官は「南部にあるロシア軍の補給路のほぼすべてを攻撃することが可能だ」と強調し、ハイマースなどの欧米から供与された兵器を駆使しながら、ロシア側への攻勢を強める姿勢を示しています。