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目指す方向性が分からなくなってしまった…そんな時に阿部流「おにぎりメソッド」

2022年12月19日

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興味を持っていた会社のインターンシップに参加したけど、やりたい仕事とはちょっと違うかも…?自分の目指す方向性が分からなくなってしまった時、どうすれば?コピーライターの阿部広太郎さんに相談してみました。

(聞き手:小野口愛梨、本間遥、幕内琴海)

目指す方向がわからなくなりました

学生
幕内

この時期、インターンシップやセミナーなどを通じて、就職を希望する業界がある程度定まった人もいれば、逆にやりたいことが分からなくなってしまう人も結構いると思います。

目指すべき方向性が分からなくなってしまった時はどうすればいいですか?

なるほど。

阿部広太郎さん

やりたいと思っていたことが、やってみてちょっと違うかもしれないと思うことってありますよね。

阿部広太郎さん
電通に入社後、人事に配属。社内試験を経てコピーライターに。テレビ、映画、作詞、ラジオ番組など幅広い分野で活躍中。自身の経験をいかしてSNSやポッドキャストの番組「#好きに就活 好きに進もう羅針盤ラジオ」で就活生に寄り添ったアドバイスを届けている。

自分の中の羅針盤がどの方向を向いているのか、しっかり考えたいタイミングかもしれませんね。

そんな時に役立ちそうな考え方があります。

先輩から教わって、僕なりに進化させたメソッドを紹介しますね。

「おにぎりメソッド」って言うんですが。

学生
本間

おにぎり…?!

下の図を見てください、おにぎりのような三角形になっていますよね。

おにぎりの中身の具に注目します。

阿部さん流「おにぎりメソッド」に自分のポイントを書き出してみよう。

真ん中の「自分コンセプト」。

これは、おにぎりの中に入れる具だと思って、自分がとても大事にしているキーワードやコンセプトを考えてみてください。

学生
小野口

お勧めの方法はありますか…?

そうですね。

「これをとってしまったら、もう自分じゃない」と思えるものが何かというのを考えてみたらいいと思います。

何で自分はこの業界に惹かれているんだろう?なんでこの部活に打ち込んできたんだろう?どうしてこの大学のこの学部に入ったんだろう?

そうやって振り返ってみると、これまでの選択の中にも自分らしさが出ているはずです。

あとは、自分の中で大切にしている言葉や信念でもOKです。

そうやっておにぎりの具にあたるコンセプトを考えたら、次に左下の「これまでがんばってきたこと」を考えていきます。

はい。

3つ目、上の「自分の強み」を考える時には、これまでの活動の中で人から「いいね!」と言われて印象に残っている言葉を振り返ってみましょう。

そして自分の「自分コンセプト」「これまでがんばったこと」「自分の強み」、この3つすべてとつながっているのが「将来、成し遂げたいこと」なんじゃないかと思うんです。

例えば「チャレンジ」がコンセプトとしてあって、学生時代は「部活で高い目標に向かって挑戦してきた」、そして「自分で計画を立ててコツコツと努力できる」ことが強みだとします。

「目標を掲げる」「計画を立てる」「コツコツ努力していく」があった場合に、自分の将来を考えてみると、マーケティングの仕事が合っているかもしれませんし、営業の仕事だったらどうだろう?なんて考えを広げていくわけです。

なるほど。やってみたいと思います。

この「おにぎりメソッド」を通じて自分を見つめ直してみると、自分のやりたいことがわからなくなってしまったという問題の解決のヒントになるかなと思っています。

希望する職種につけるとは限らない?

仮に本当に自分のやりたいことができそうな会社が見つかったとしても、希望する職種につけるか分からないし、そもそも採用される人も一握りなのに…って気持ちになってしまいそうです。

その職種をなぜ希望するかという理由がかなり重要なポイントです。

例えばヒット商品が作りたいという思いから企画開発を希望するとなると、挑戦したいという思いが根底にあるのかもしれないし、営業の仕事でたくさん売上を立てたいというのがどうしてかを考えたら、チームに貢献したいという色合いが強いのかもしれません。

そんな風に整理をしていった時に、仮に自分の中の仮説を具現化していく「マーケティング」という仕事に惹かれているとします。

すると、その仕事は、商品を製造するメーカーだけではなく、コンサル業や広告業がメーカーのマーケティングを支援しているケースだってあるわけです。

Aという業界に固執するのではなく、要素を整理してみるとBという業界もあるかも?とほかにも広げていけるといいかもしれませんね。

これから新しい業界に目を向けるのは時期的に遅いんじゃないかって不安になってしまいますが大丈夫でしょうか。

全然大丈夫だと思います。

何かを新しく見つけるというよりは、すべての仕事はどこかでつながっているという視点でものごとを見ると良いですよ。

メーカーの仕事も新しい商品を作るときに素材を取り扱う化学業界とつながっていたり、経営部門だったら銀行と密接につながっていたりするわけです。

わりと自分の興味の隣にいろいろな仕事があるんだなという気持ちで業界を見てもらったほうが良いと思います。

なるほど。

だからインターンなんかを通じて「思っていたのと違ったな」と思っても、ヒントは意外とすぐ隣にあるものだったりします。

全然別物じゃなくてです。

おにぎりの真ん中にある具がしっかりしていれば大丈夫なので、「こんな可能性もある」「あんな方法もある」というふうに、考え続けていけるといいと思います。

つかめそうな石をたぐり寄せていこう

世の中に色んな仕事があると思うんですけど、自分とあっている業界や会社を見逃さないためには何を気をつければいいですか?

限られた時間の中で世の中の企業の全部を網羅することって不可能ですよね。

でも、気になることがあるんだったら、ネットで調べてみるとか、その会社のセミナーに参加してみるとか、少しでも行動に移していると、何かしらの片鱗が見つかると思うんですね。

ロッククライミングで次の岩に登るために手がかりを探していくような感じです。

全部を網羅して、全部の石を掴むことよりも自分が行く先々で、つかめそうだな、という石をたぐり寄せて行くような。

そういう感覚でいてほしいなと思います。

とにかく動いたりすることが大事っていうことですか。

そうですね。

自分の琴線に触れる情報や出来事が何かを探し続けることが、自分にあった仕事を見つけるうえで大事にしてほしいことです。

ありがとうございました!

撮影・編集 秋元宏美

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