“イスラエル治安部隊が重大な人権侵害”米が支援停止の可能性

アメリカ国務省は29日、イスラエルの治安部隊が、イスラム組織ハマスとの衝突が起きた去年10月以前に重大な人権侵害を引き起こしていたと明らかにしました。アメリカの法律では、外国の治安部隊などが重大な人権侵害に関与した場合、その部隊への軍事支援を禁じていることから、バイデン政権の対応に注目が集まっています。

アメリカ国務省のパテル副報道官は29日の記者会見で、ガザ地区でイスラエルとイスラム組織ハマスの衝突が起きた去年10月以前に、イスラエルの5つの治安部隊が重大な人権侵害を引き起こしていたことを確認したと明らかにしました。

人権侵害の具体的な内容は明らかにしていませんが、アメリカのメディアは、ヨルダン川西岸地区でパレスチナ人に対する虐待などが行われていたと伝えています。

パテル副報道官はこのうち4つの部隊についてはすでに効果的な措置がとられ、是正されているとしています。

アメリカの法律では、外国の治安部隊などが重大な人権侵害に関与したという信頼できる情報があった場合、その部隊などへの軍事支援を禁じていて、会見に先立ち、アメリカのメディアは、イスラエルへの支援停止の可能性について報じ、ネタニヤフ首相が反発していました。

ただ、国務長官が、外国政府が効果的な措置をとっていると判断した場合は支援は認められることになっていて、ハマスとの戦闘が続く中、バイデン政権がどのような対応をとるのか注目が集まっています。