リニアの開業はどうなる? 静岡新知事とJR東海社長が初面会

静岡県で着工できていない「リニア中央新幹線」をめぐって新たに就任した静岡県の鈴木康友知事とJR東海の丹羽俊介社長が5日、初めて面会し、鈴木知事は「リニアを推進する必要がある」と述べたうえで、水資源確保や環境保全との両立を図るべきだという考えを伝えました。

JR東海が建設を進めるリニアをめぐっては、静岡県の川勝前知事が水資源や生態系への悪影響が懸念されるなどとして県内での着工を認めず、工事が始められない状況が続いています。
こうした中、JR東海の丹羽俊介社長が5日、静岡県庁を訪れ、5月の静岡県知事選挙で初当選し、新たに就任した鈴木康友知事と初めて面会しました。
面会の中で丹羽社長はリニアについて、「静岡工区の工事では大井川の水資源の利用に影響を与えず、南アルプスの環境保全に最大限努める。双方向のコミュニケーションを大切にしながら真摯に取り組むので、鈴木新知事のもとで県との関係をさらに強化していきたい」と述べました。
これに対し鈴木知事は「リニア中央新幹線について私も推進する必要があると理解している」と応じました。
そのうえで、「水資源の確保や南アルプスの生態系保全との両立を図るという方向性は堅持していく。岐阜の井戸で水位が低下した問題も含め、率直な意見交換をしたい」と述べ、水資源確保や環境保全との両立を図るべきだという考えを伝えました。
面会のあとJR東海の丹羽社長は「大変有意義だった。鈴木知事とは今後緊密なコミュニケーションでやっていけると感じた」と述べました。