同性パートナーの名字への変更認める 名古屋家裁

愛知県に住む男性が同性のパートナーと同じ名字への変更を求めた申し立てについて、名古屋家庭裁判所がことし3月、「2人は夫婦と同様の、婚姻に準じる関係だと言え、名字が違うことで社会生活上の著しい支障が生じている」などとして変更を認めました。代理人の弁護士によりますと、同性カップルについて夫婦と同様の関係だなどとして名字の変更を認めた決定は異例だということです。

愛知県内で同性のパートナーとともに暮らし、現在は2人で里子を養育している鷹見彰一さん(仮名)は、去年11月、「パートナーと名字が違うことで生活に多くの支障が生じている」などとして、パートナーの名字への変更を求めていました。
これについて、名古屋家庭裁判所がことし3月、変更を認める決定をし、鷹見さんは先月、パートナーの名字に変更しました。
決定の中で、名古屋家庭裁判所の鈴木幸男裁判長は「2人は子育てを中心とした安定した生活を継続していて、婚姻し育児をしている異性同士の夫婦と実質的に変わらない生活実態にあると認められ、夫婦と同様の、婚姻に準じる関係にあると言える」と指摘しました。
そして、「2人のような、性的指向が少数派に属する者が、日常生活のさまざまな場面で差別感情や偏見に基づく不利益な取り扱いを受ける可能性があることは容易にうかがわれ、意に沿わないカミングアウトをしなければならない状況が生じることは、それ自体、社会生活上の著しい支障になる」としています。
代理人の弁護士によりますと、同性カップルについて夫婦と同様の関係だなどとして名字の変更を認めた決定は異例だということです。