里親の登録抹消は違法として三重県に処分取り消し求め提訴

長年養育してきた里子への虐待の疑いがあると誤って認定されたことで三重県から里親の登録を抹消するなどの処分を受けたのは違法だとして、名張市に住む夫婦と16歳の元里子が県に処分の取り消しや損害賠償を求める訴えを起こしました。
津地方裁判所に訴えを起こしたのは名張市に住むいずれも元里親の松山健さんとその妻、それに16歳の元里子です。
訴状によりますと、夫婦は12年以上にわたって養育してきた16歳の元里子への虐待があったと誤って認定され、おととし3月児童相談所に里親の委託を解除されたほか、里親の登録を抹消する処分を受けたということです。
その後行われた家庭裁判所の調査官による調査では虐待の事実が認められないとされたにも関わらず、県が里親の登録を抹消する処分などをしたのは違法で、精神的苦痛を受けたとして、県に処分の取り消しや2000万円余りの損害賠償を求める訴えを津地方裁判所に起こしました。
元里親と16歳の元里子はその後、養子縁組をして現在は一緒に暮らしていますが、もう1人いる元里子とは委託を解除されたことで現在も会えない状態だということです。
30日、津市で会見を開いた松山健さんは「子どもと会えない期間は自分も妻も体調を崩し、とても苦しい思いをした。裁判で県や児童相談所が何をしたのかはっきりさせたい」と話していました。
提訴を受けて三重県は「県では、子どもの最善の利益を優先的に考慮しながら心身ともに健やかに育成されるよう里親委託の推進に取り組んでいます。今回の訴訟については、訴状が届いていないためコメントはできませんが、届き次第、内容を精査し適切に対応してまいります」とコメントしています。