愛知・東郷町長パワハラ問題で報告書「継続的にハラスメント」

愛知県東郷町の井俣憲治町長が町の職員に対し、パワーハラスメントにあたる発言をしたなどと指摘されている問題で、町が設置した第三者委員会は「町長が1期目から継続的に複数の職員にさまざまなハラスメントを行ってきた」とする報告書を提出しました。
22日は、去年12月から事実関係を調査してきた第三者委員会の堀龍之委員長が近藤悦規副町長に報告書を手渡しました。
報告書では、町の職員ら739人を対象に、アンケートを実施した結果、パワーハラスメントやセクシュアルハラスメントなど、町長からなんらかのハラスメントを受けたという回答が、のべ108人から寄せられたとしています。
具体的には、会議や事務説明などの場で、「死ね」とか「三流大学以下」などと、職員の存在や能力を否定する発言や、「早く降格してくれ」などと、人事上の不利益な取り扱いを示唆する発言をしていたことが確認されたとして、7種類の言動をパワハラと認定しています。
また、「あなたは妊娠していないの?」などの発言や、着ぐるみの中に女性職員が入ってることを認識しながら抱きつくなどの行為をしていたとして、4種類の言動をセクハラに該当するとしています。
このほか、男性の育休取得に否定的な発言や出産の予定を確認する発言について、マタニティーハラスメントに認定していて、報告書では「2018年5月に就任して以降、継続的に複数の職員にさまざまなハラスメントを行ってきた」としています。
その上で、「町長は職員を成長させるために厳しく指導していると考えていた節があるが、厳しい指導の延長線上でパワハラ発言が許されるという考えは誤った考えである」と指摘しています。
また「町長のハラスメントを監視する役割が求められる副町長も、ハラスメントへの理解が不足していて対策が取られず、町長のハラスメントに歯止めがかからなかった」などとしています。
そして、今後の対策として、職員だけでなく町長もハラスメントを行う可能性があることを想定し、第三者による相談窓口や苦情処理委員会の設置などが必要だと提言しています。
第三者委員会は、23日、記者会見を開き、報告書の内容を詳しく説明することにしています。
東郷町の井俣憲治町長は、22日夜、退庁する際、記者団に対し、「報告書はまだすべて見られていない。あす、第三者委員会の会見があるので、内容をよく拝聴してから近々に会見を開きたい」と述べました。
また、みずからの進退については、「皆さんの関心のほとんどが私の進退に向いているが、今度の会見では、ハラスメントの影響のないまちづくりを進めるための方向性について説明したいと考えている」と述べました。