市民討論会で差別発言 名古屋市の検証委 8月めどに最終報告

名古屋城天守閣のバリアフリー対策を議論していた市民討論会で、一部の参加者から差別発言があった問題をめぐり、市の検証委員会は、ことし8月をめどに、再発防止策を含めた最終報告を取りまとめる方針を確認しました。

名古屋城天守閣の木造復元計画の中のバリアフリー対策をめぐり、去年6月に名古屋市が開いた市民討論会で、一部の参加者から車いすの利用者に対する差別的な発言があったことを受け、市は検証委員会を設け、再発防止策などを検討しています。
検証委員会は18日に会合を開き、差別的な発言に至った直接的な原因はことし2月の中間報告で明らかにしたとして、最終報告では、背景についても広く調査する必要があるという考えで一致しました。
そのうえで、検証委員会では、おととし12月以降、市と障害者団体の間でバリアフリー化に向けた検討状況が共有されなくなった経緯や、市長と市の職員との間で城の復元にあたってのバリアフリー対策について認識のずれがなかったか、追加のヒアリングを行うことを決めました。
そして、ことし8月をめどに、再発防止策を含めた最終報告を取りまとめることを確認しました。
会合のあと、委員長を務める田中伸明弁護士は「市民にも理解してもらいながら、多様性のある名古屋市をつくっていけるように報告書をまとめていきたい」と述べました。