名古屋芸大セクハラ調査結果の非開示 学生は二次被害と訴え

愛知県北名古屋市にある名古屋芸術大学の学長からセクハラ行為を受けたとしてこの大学の女子学生などが4月2日に続いて会見を行い、「ハラスメントと認定できない」とした大学による調査委員会の調査の結果を開示しないことについて「大学側の対応はハラスメントの二次被害になっている」と訴えました。

愛知県庁で2回目の会見をしたのは名古屋芸術大学に在籍する女子学生と学生の代理人を務める弁護士です。
学生などによりますと4月に学長に就任した來住尚彦氏が非常勤講師だった去年8月、ミュージカルの稽古場で6人の女子学生の背中や頭をなでたり10センチほどの距離まで顔を近づけて「君はビジュアルがいいね」と発言したりするなどのセクハラ行為を行ったとしています。
大学は「処分するべきハラスメントが行われたとは認定できない」とする大学が設けた調査委員会の見解について説明するとしていますが、最初の会見から2週間が経過しても学生側への説明は行われていないということです。
また、調査報告書を開示するよう申し入れたものの、大学の運営法人から「開示できない」と文書で回答があったということです。
代理人の田巻紘子弁護士は「大学側の対応に学生は非常に傷ついていて二次被害になっている。きちんとした対応をしてほしい」として、大学側に調査結果の開示と第三者委員会による再調査を求める文書をきょう付けで送付するということです。
これに対し名古屋芸術大学は被害を訴える学生の心のケアを行いたいとして調査結果を説明する場を設ける予定で調整を進めているとしています。
その一方で大学の運営法人が調査報告書を開示しないことについては「法人が回答した内容を正確に把握できていないので答えられない」としています。