トリエンナーレ実行委員会が解散を議決 名古屋市は投票棄権

14年前から愛知県で行われてきた国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」をめぐり愛知県や名古屋市などでつくる実行委員会は名古屋市に負担金の一部の支払いを求めた裁判が終結したことから16日に運営会議を開き、委員会の解散を賛成多数で議決しました。

「あいちトリエンナーレ」をめぐっては5年前「表現の不自由」をテーマに慰安婦問題を象徴する少女像や昭和天皇をコラージュした映像作品などを展示するコーナーが設けられ、テロ予告などが相次ぎ、一時、展示が中止されました。
実行委員会の会長代行を務めていた名古屋市の河村市長は「公金を支出するのは著しく不適切だ」などとして、当時、負担金の一部の支払いを拒否しましたが、ことし3月、最高裁判所で市に負担金の支払いを命じた判決が確定しました。
これを受けて、愛知県や名古屋市などでつくる実行委員会は16日に運営会議を開き、実行委員会を今月末で解散する議案や600万円余りの余剰金を県と名古屋市で分配する議案などが事務局から提案されました。
採決では名古屋市側の委員を務める河村市長と市の幹部らあわせて4人が棄権し、それ以外の20人が賛成したことから、議案は賛成多数で議決されました。
名古屋市は「『表現の不自由展』の経緯などを運営会議で説明するよう求めてきたが、実行されていない。これまでの手続きに不備があったと考えており、抗議の意を示すために棄権した」としています。
会議のあと大村知事は記者団に対し「実行委員会はこれで一区切りということで速やかに清算して次に向かっていきたい」と述べました。