名古屋大に5億円寄付“海外で人生に変化もたらす経験を”

名古屋大学に卒業生の実業家の男性から5億円の寄付が寄せられました。男性は「海外で人生に大きな変化をもたらすような経験をしてほしい」と話していて、大学は学生の短期留学の費用にあてる新たな基金を創設しました。

名古屋大学に5億円を寄付したのは、平成2年に医学部を卒業し、現在は終末期患者のケアを行うホスピスを展開する事業などを手がけている実業家の柴原慶一さんです。
9日は名古屋大学で柴原さんから寄付の目録が贈呈され、受け取った杉山直総長は「円安に加え、海外でも物価が高騰しているので、学生たちが心配なく海外に行けることは大きな助けになる」と感謝の言葉を述べました。
大学では5億円の寄付金を使って新たな基金を創設し、医学部の学生などができるかぎり自己負担なく海外に短期留学できるよう学費、渡航費、滞在費を負担することにしています。
柴原さん自身も在学中にアルバイトで貯めた資金でアメリカに渡って現地の大学で学んだことがあり、この時の経験が研究者から実業家に転身するきっかけの1つになったということです。
柴原さんは「自分は苦労してお金をためましたが、新たな一歩を踏み出す資金は必要不可欠です。研究やビジネスなど、どんな分野でもいいので海外で今後の人生に大きな変化をもたらすような経験をしてほしい」と話していました。